地方はスマホが圏外?au、ドコモ、ソフトバンクや格安SIMのつながりやすさは?【田舎暮らしの知識】

『移住支援.com』より

地方移住をする地域によってはスマホが圏外になったり、回線速度が遅くなることもあるのでしょうか? スマホの通信ネットワークは全国に普及していますが、キャリアでの差や、格安スマホの場合はどうなのかが気になりますね。地方のスマホの通信状況を紹介します。

どの都道府県でもスマホはつながる?

地方移住を考えている地域で電波がつながらず、スマホが使えなくなってしまうのではないかと不安になっている方はいませんか?スマホの通信エリアは年々、拡大が進んでいて、地方でも当然スマホでのインターネットはつながります。今は富士山の山頂でもつながる時代ですし、山間部でもスマホが使えることも珍しくありません。

地域によってはスマホの速度が都心より安定するというメリットもあるため、地方だからといってスマホが使いづらくなってしまうということはありません。それでは、地方でのスマホの電波状況を詳しく見ていきましょう。

全国で圏外になる地域はある?

スマホやタブレットで使用する無線通信「LTE」は、携帯電話会社が所有する基地局から電波を飛ばしています。LTEは地方を含む全国に普及されているので、地方移住しても問題なくスマホを使うことができます。

LTEのような通信サービスの利用が可能な地域の割合を表す「人口カバー率」も全国99.9%、圏外0.01%以下という数字になっており、ほとんどの地域でスマホが利用できると言えるでしょう。しかし、人口カバー率は調査する市区町村の役場付近で通信サービスの利用が可能であれば、その市区町村ではスマホが使える地域とみなされています。そのため、通信サービスが利用できる地域とされている場合でも山間部では繋がらないなんてこともありえるのです。

地方のほとんどの地域でスマホが使えるのですが、一部の地方の山間部などでは人口にして1.6万人、1293箇所が圏外でスマホが使えないというデータがあります。こういった状況を改善するために、総務省が基地局整備のための補助金を出すことを発表しました。各携帯電話会社が地方の圏外の地域に基地局を整備し、2023年までにスマホの圏外を解消するという見通しです。

地方は都心よりスマホがつながりやすいメリットも!

地方ではLTEの電波が届かずに圏外になってしまう地域もありますが、スマホが使える地方では都心よりつながりやすい場合もあります。それでは地方のスマホの通信事情を詳しく見ていきましょう。

地方の方がスマホの通信速度が安定する

一般的に人が密集してスマホを使う場所は回線が混雑し、通信速度が遅くなります。地方は都心に比べて人が密集して混雑することが少ないですよね。このため人口密度の低い地方の方が1つのアンテナにアクセスが集中しないため、回線速度が安定します。このような地域ではいつでも快適にスマホを利用することができるでしょう。

地方によっては公衆無線LANが整備されている

山間部の道の駅などの施設では、無料の公衆無線LANが提供されているところもあります。公衆無線LANを利用してWi-Fi通信をすれば、データ量の節約にもなりますね。地域によっては県内各地に無料のWi-Fiを導入しているところもあり、徳島県や熊本県、福井県などで実施されています。

また、NTT西日本は日本全国各地の自治体と連携をして公衆無線LANのエリアの拡大を推進しています。地方移住先に検討している地域で公衆無線LANが利用できるかは、NTT西日本の公式HPでチェックしてみると良いでしょう。

自宅ではWifi環境があれば安定したスマホの通信環境が整う

アンテナから距離が遠くて電波が弱い地域でも、自宅にWi-Fi環境を作ればスマホで高速通信の利用ができます。ネット回線を自宅に整備してWi-Fiルーターを設置すれば、自宅でスマホやタブレットなどのWi-Fi通信が可能になりますよ。

ただし、自宅でインターネットを利用したいときは、自宅にネット回線が整備できるエリア内であるかどうかを利用する通信会社(フレッツ光、auひかり等)に確認をするようにしましょう。

キャリアによるつながりやすさの違いは?(ドコモ、au、ソフトバンク)

大手携帯電話会社のドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアでは、つながりやすさに大きな違いはないものの、2014年にICT総研が公開した「スマートフォン つながりやすさ満足度調査」の結果を見ると、スマホのつながりやすさ満足度トップは「au」でした。39都道府県で1位を獲得し、日常的な場面、混雑している場面、旅行先や地方での場面の3つの状況において、auが1番つながりやすいという結果が出ています。この調査からauが強みとしているLTEのエリアの広さがわかりますね。

また、山間部ではドコモがつながりやすいという声もあるので、実際どの地域のどの場所でスマホを利用するかによって、つながりやすいキャリアは異なるでしょう。

ICT総研の「スマートフォン つながりやすさ満足度調査」のキャリア別の回答を都道府県に分けて見ると、都道府県別の満足度上位は1位が宮崎県、2位が静岡県、3位が福岡県となっています。地方移住先で使っているスマホが通信可能かどうかは、各キャリアの通信エリアを確認するのがおすすめです。通信エリアは各キャリアの公式HPでチェックすることができます。地方移住先を検討する際は、事前に確認してみてくださいね。

格安スマホは地方でもつながる?

格安スマホは大手3キャリアよりも毎月の通信量を節約することができるので、利用したいと考える方もいますよね。格安スマホはドコモ、au、ソフトバンクの通信網を借りてサービスを提供しています。そのため、通信サービス提供エリアは、格安スマホでも大手キャリアと変わりません。例えばドコモの回線を借りてサービスを行っている格安スマホであれば、ドコモで通信が可能な地域であれば同じように利用することが可能です。

都心で生活して入れば、一般的に格安スマホは大手キャリアよりも通信速度が遅くなってしまう傾向があります。人が混雑する場所では大手キャリアであっても通信速度が遅くなってしまうため、大手キャリアの回線を借りている格安スマホは回線混雑時の速度の低下が著しいです。その点で地方は都心に比べて回線が混雑することが少ないため、格安スマホであっても快適な通信を行うことができるでしょう。格安スマホを使っている人が地方移住をしたために通信速度が遅くなってしまうということはありませんよ。

地方でも5Gは使える?

2020年3月にスタートした新しいスマホの通信規格である5Gは、スタートしたばかりで、まだ全国には普及していません。2020年4月現在、東京や大阪などの都心でも5Gが使えるのは一部の地域だけです。そして地方ではまだ5Gを使うことはできません。

現在、地方では5Gを使うことはできませんが、KDDIとソフトバンクは5Gの地方展開を急ぐために、基地局の整備や運営を担う共同会社を設立しました。KDDIとソフトバンクの両社が持つ基地局を相互利用し、整備機関の短縮やコスト削減をすることで、地方での5Gの通信エリアの拡大を早期に進めています。地方で5Gの通信ができるようになる日は、そう遠くはないでしょう。

まとめ

よほどの過疎集落でない限り、地方で圏外になってスマホが使えなくなるということはありません。むしろスマホの通信速度は都心よりアクセスが集中しにくいことから、安定して使用することができるというメリットもあります。2020年3月に5Gの通信がスタートしましたが現状では4Gが中心です。移住先が通信サービスエリアかどうかを、事前に使用しているキャリアの公式HPでチェックしておくと良いでしょう。

提供・移住支援.com

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