霧島神宮と鹿児島神宮、国宝と重文へ 龍柱や豪華・豊かな装飾

神谷裕司2021年11月20日 10時00分

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霧島神宮の拝殿(手前)と本殿=2021年11月16日、鹿児島県霧島市霧島田口

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鹿児島県霧島市の霧島神宮の本殿などが国宝に、同市の鹿児島神宮の本殿などが国の重要文化財に指定される見通しとなった。国の文化審議会が19日、文部科学相に答申した。

 国宝指定を答申されたのは「霧島神宮本殿・幣殿・拝殿」。県内の国宝は現在、照国神社(鹿児島市)所蔵の太刀「銘 国宗」の1件だけ。霧島神宮は県内の国宝第2号、建造物としては第1号となる見通し。

霧島市教委や文化庁によると、霧島神宮の本殿・幣殿・拝殿は1715(正徳5)年に鹿児島藩主・島津吉貴の寄進によって建てられた。

 拝殿→幣殿→本殿と上っていく形でつながった一棟になっており、高低差を利用した優れた構造だという。龍(りゅう)の彫刻が巻き付いた「龍柱(りゅうばしら)」など、一棟全体が彫刻や絵画で装飾され、極彩色・漆塗り・朱塗りで豪華に彩られている。龍柱は東アジア圏に分布し、日本では南九州に伝わる。その代表的な例となり、東アジアとのつながりを考えるうえでも重要だとされる。

 霧島神宮の社殿は1989年に国の重要文化財に指定された。その際は登廊下と勅使殿も指定されたが、部材の残り具合などから国宝答申は見送られ、重要文化財に据え置きとなる。

重要文化財答申は「鹿児島神宮本殿及び拝殿、勅使殿、摂社四所(ししょ)神社本殿」。鹿児島神宮の社殿は、1601(慶長6)年に島津義久により造営されたものがシロアリ被害で破損したことから、1755(宝暦5)年に島津重年の寄進で工事が始まり、翌56年、重豪の代に完成した。

 勅使殿から南北軸に沿って北に拝殿、本殿が並び、柱間はいずれも6尺5寸(約2メートル)で統一されている。本殿の絵画や彫刻、様々な植物が描かれた拝殿の天井画など、各建物とも豊かな装飾が施されている。とくに本殿は規模がきわめて大きく、優れた価値を持つという。

 本殿、拝殿、勅使殿は1990年に県の有形文化財に指定されたが、県文化財でなかった摂社(本社付属の神社)の四所神社も含めて国の重要文化財に格上げされることになった。

 本殿の檜皮(ひわだ)ぶきの屋根は現在、足場を組んでふき替え工事中。年内に足場が外され、来年2月に工事を終える予定。

 霧島神宮の慶光院利致(よしかず)宮司は「このうえない名誉に身の引き締まる思い。これを機に、多くの皆様に先人の残した貴重な文化資産に触れてほしい」と語った。

 鹿児島神宮の幸野珍廣(うずひろ)宮司は「誠にありがたいこと。今後も大切に守っていきたい」と述べた。(神谷裕司)

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