鹿児島の鳥刺し 心に刻まれるソウルフード。

鹿児島の鳥刺し

連載 | SUSTAINABLEDESIGN |鹿児島の鳥刺し 心に刻まれるソウルフード。

LOCAL2021.08.14

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 鹿児島県に移住して初めて食べた「鳥刺し」の衝撃は、今でも忘れられない。
お皿いっぱいに盛られた薄いピンク色のつややかな生の鶏肉は、ほんのり甘く噛みしめるほどに旨みが広がった。
九州の「甘露しょう油」がまた鳥刺しの味わいを際立てる。とにかく箸が止まらなかった。

 鹿児島では江戸時代から闘鶏で負けた鶏を絞めて食したという。
その後も各家庭で鶏を飼い、来客時やお祝いの席で鳥刺しや鶏料理が振る舞われ、今も日々の食卓に並ぶ伝統の味だ。
県内のスーパーで当たり前に販売されているほか、「かしわ専門店」もあり、県民はお気に入りの店がある人も少なくない。
特別な日には行きつけの店で購入し、差し入れするのがお決まりである。

 肉の生食の規制が強化されていく
なかで、鹿児島では生食用鶏肉の衛生基準を独自に制定し、食文化を守る動きがなされている。
食卓の定番でいて人気者の鳥刺し。時代が移り変わっても継承される、鹿児島が誇る豊かな食の象徴であってほしい。

     鳥刺しは部位やカットの仕方によって食感や味わいが変わる。
胸肉はしっとりと軟らかで、あっさりとした風味が楽しめる。
もも肉はしっかりとした歯ごたえと、コクのある旨みがクセになる。

やましたよしみ
鹿児島市在住。静岡県浜松市出身。出版社、編集プロダクション勤務を経て、2011年、東京から鹿児島へ移住。2012年よりフリーランスとして活動している。得意分野は、食と暮らし、アート。2児の母でもある。

photograph by Jodan Yamashita   text by Yoshimi Yamashita

記事は雑誌ソトコト2021年9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。
記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。
あらかじめご了承ください。

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