鹿児島県に次いで全国ワースト2位 人口減少・高齢化を背景に増加する高知県の“空き家”対策

人口減少や高齢化を背景に全国的に増え続ける空き家。日常的に住んでいない空き家の数は全国でおよそ900万戸と過去最多を更新しました。空き家を減らすためにはどうすればいいのか、空き家が有効活用されている事例を交え取材しました。

12.9%。この数字は県内で使用目的のない住宅の空き家率で、鹿児島県に次いで全国ワースト2位です。その数、およそ5万戸。一方で、県内移住者の数は昨年度、1437組・1930人と過去最多に。少しでも多くの空き家を整備し、移住する人たちに提供できる体制を整えていくことが課題となっています。

(リポート:竹内一政)
「使用目的のない空き家を掘り起こすことで移住促進につなげようと県庁住宅課には対策チームが設けられていて、取り組みが進められています」

その名も「空き家対策チーム」。3年目を迎え、現在3人の職員が市町村と連携しながら業務を行っています。

(県空き家対策チーム 藤田直チーム長)
「空き家問題というのは皆さん最近聞くようになってきたかもしれませんけども、やはり早いうちから考えていただくというところを知っていただくという取り組みを主にやっております。戸数で見ますとおよそ5万戸ということで、これが前回(4年前)の調査の戸数と変わってないという今のところ結果になってますので、一定、抑制をしつつという取り組みの効果は少しずつですけども、出てるのかなと受け止めています」

空き家は何もせずそのままにしておくと、あっという間に老朽化してしまうため、家の行く末をできるだけ早く決断することが必要です。「家族で使う」「貸す」「解体する」「譲る」「売る」の5つの選択肢があり、それぞれメリット、デメリットがあります。

県は空き家をそのままにしている人やまだ空き家ではないが今後のことを考えたい人を対象に電話やメールで相談を受け付ける窓口を設置。司法書士や建築士、不動産業者などの専門家が市町村に出向き、直接相談に応じる出張相談会も開いています。

(県空き家対策チーム 藤田直チーム長)
「やはり(相談で)多いのは相続の話ですね、登記の問題ですね、昔からのお家だとおじいさん、ひいおじいさんの代のままで登記が止まっているとか、そういったところでどうしたらいいかというようなお話ですとか、親御さんが亡くなられたりとかで実家が空き家になってるんで手放したいけどもどうやって活用していくのが一番いいのかといったご相談とか、そういったところが主だったところになりますね」

各市町村は売りに出されたり、貸し出されたりしている空き家の情報をウェブサイトなどで公開する「空き家バンク」を設置しています。県の移住ポータルサイトでは各市町村の物件が閲覧できるほか、価格や条件に合わせた理想の空き家を探すことができます。

香美市香北町。こちらの住宅に住む高村境次(たかむら・きょうじ)さんは香美市の空き家バンクを通じ、9年ほど前に古民家を購入しました。高知市から移住して7年目を迎えた高村さん、かつて土塀があった部分は木の塀にし、薪棚に。また馬小屋があった場所にはピザ窯を、そして母屋の前にはウッドデッキを整備するなど、DIYを進めています。

(高村さん)
「息子が障がいがあるので、息子の将来のためには街の中にいるよりは田舎の方で食べ物を一緒に作って暮らすっていうのを一緒にやろうと思っていて、そういうので田舎を探してたと。親のこととか墓のこととかいろんなことを考えてるとどうしてもやっぱり高知県内ということになって2~3年探したんじゃないでしょうか、たまたまここが空き家バンクで出てきて、すぐ見に行ってこれやったら大体理想の大きさで、一番良かったのは日当たりだったんです。この日当たりの良さで買ったんですけどね」

高知大学医学部の事務職員だった高村さん、退職後は妻と息子の3人でこの古民家で暮らしています。母屋は築120年程度と見られ、リフォームを進める中、こだわったのは薪ストーブの設置でした。

(高村さん)
「工事してるとこのあたりはすすが溜まってて、たぶんここはおくど(かまど)だったと思うんです、昔の。それを途中で改築してやってたんだろうと思うんですけど、ここが一段低かったのでフラットにするとどうしても天井に(頭が)当たる、それと薪ストーブすると高い方で(暖かい空気が)循環していいんですよね。いいですよ、冬も薪ストーブだけですから」

85歳までこの家で暮らすつもりだという高村さん。秋にはそばの実を収獲しそば打ち体験などのイベントも開いていて、大勢の人たちに田舎暮らしの良さを知ってもらいたいと話します。

(高村さん)

「土蔵をギャラリーにして音楽のスタジオとかにもなるかなと、すごい壁が厚いので、そんな使い方でちょっとでも人に来てもらいたい、この田舎に、それで生活を見てもらいたいなというのもあって、そういうことをやろうかなと思ってますけどね」

放っておくと老朽化が進み、売ることも貸すこともできなくなってしまう空き家。県では、そうならないために次の持ち主にバトンをつなぐ取り組みを進めたい考えです。

(県空き家対策チーム 藤田直チーム長)
「お家の行く末というのを持ち主の方には決めていただいて、使えるようなものは使っていくと。そういった形を移住者の皆さんとか必要としている方々につないでいくところを、県でいうと移住促進課と連携してやっていきたいなと思ってます。家を持ってる方と家を探されてる方がうまくマッチングできるような体制というのを作っていきたいなと思っています」

県では7月13日に高知市のかるぽーとで「こうち空き家カレッジ」を開催します。タレントの松本明子さんが自身の実家じまいに苦労したしくじりエピソードを紹介するほか、空き家に関するミニセミナーや相談会も開かれます。

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