【DEEN池森秀一の蕎麦ログ】地元の蕎麦粉・新燃岳そばを使った宮崎・都城市のがまこう庵「二味そば」

2022.02.27

ライフスタイル

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生産者の想いに打たれた宮崎県の〝新燃岳そば〟

 とある番組の収録で久しぶりに鹿児島県を訪れた。

 鹿児島県はデビュー当時から縁のある土地で、DEENにとっての第2のホームといえるくらい思い入れが深い。そんな鹿児島県でおいしいお蕎麦屋さんを巡りたいと思っていた。

 ネットの口コミを頼りにリサーチした結果、鹿児島県と宮崎県の県境に蕎麦心をくすぐるお店を発見。地場産の蕎麦にこだわっているという。収録場所の霧島神宮からクルマで5分ほどの距離にある「がまこう庵」だ。開店時間は10時。収録開始は11時だったので、少し早めのランチをとることにした。

 暖簾をくぐってからほどなくすると、あっという間に満席状態。ウエーティングのお客さんまでいた! ここまで来て食べられないなんてことにならなくて安堵した(笑)。

 蕎麦茶を楽しみながらお品書きを眺めていると『二味そば』の文字が目に飛び込んだ。『二味そば』は、温かいかけと冷たいざるの2つの蕎麦を楽しめるお得なメニュー。『かけそば』と『もりそば』の両方を注文することがお蕎麦屋さん巡りのマイブームになっている僕にとって、まさにおあつらえ向きのセットなのだ! それに何と『かけそば』はお蕎麦を田舎蕎麦に変更できるという。ボソボソした食感の田舎蕎麦は、温かいおつゆに浸すとプチプチ切れる。それをおじやみたいにレンゲですくっていただく『かけそば feat.田舎そば』。僕はこの組み合わせが大好きで、お店の大将と語り合いたい気分をグッと抑えながら、お蕎麦の到着を待っていた。

 この日のお蕎麦は、宮崎県高原町で収穫した地元の蕎麦粉・新燃岳そばを使ったもの。寒暖差が大きく、環境が厳しい土地ほど、実はおいしいお蕎麦ができるという話をよく耳にする。調べてみると、新燃岳そばは今から10年ほど前、霧島山の新燃岳で起きた大規模な噴火被害からの復興を願って栽培を始めた品種だという。

 厳しすぎる環境もさることながら、生産者の想いもおいしいお蕎麦ができる重要なファクターであることを改めて感じられた、地産地消のすばらしいお蕎麦との出会い。池森の脳内に蓄積している、もう一度訪れたいお蕎麦屋さんリストにまたひとつ新しいお店が加わった。鹿児島でのお蕎麦屋さん巡りはまたの機会に。楽しみは次にとっておこう。

『二味そば』1100円

がまこう庵『二味そば』

がまこう庵

がまこう庵

[住]宮崎県都城市吉之元町5186 [電]0986・33・1226
[休]火曜、第1水曜(祝日の場合は営業) http://gamakoan.jp/

文/池森秀一

池森秀一

いけもり しゅういち

DEENのヴォーカリスト。1993年に『このまま君だけを奪い去りたい』でデビュー。乾麺蕎麦商品をプロデュースするほか、2020年9月に蕎麦専門YouTubeチャンネル『信州戸隠 池森そば 赤坂店』を開設。芸能界きっての蕎麦好きとして有名。

※「池森秀一の蕎麦ログ」は、雑誌「DIME」で好評連載中。なお、本記事はDIME2・3月号に掲載されたものです。

※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2021年11月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。

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