世界の蒸留酒専門家 大隅の焼酎蔵元視察「来るたび新しい発見がある」

2022/06/09 21:58

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焼酎工場で製造工程の説明を受けるWSETの講師たち=鹿屋市の大海酒造

 世界最大のワイン専門家養成機関で、酒類の権威とされるWSET(本部・ロンドン)の講師6人が9日、鹿児島県を訪れた。いずれもスピリッツ(蒸留酒)の専門家で、大隅半島の焼酎蔵元を視察して生産担当者らと意見を交わした。
 国税庁が日本産酒類の輸出促進を目的に招請した。6人は欧米や東南アジアで活動するソムリエやバーテンダーら。6〜9日に沖縄、宮崎、鹿児島の泡盛と焼酎の蔵元計7カ所を巡った。
 鹿児島では太久保酒造(志布志市)と大海酒造(鹿屋市)を訪問。大海酒造では、前田直樹製造部長が製造工程を説明しながら、工場を案内した。講師らは熱心にメモを取り、「麹(こうじ)や芋が違うと工程も変わるのか」「発酵中の温度管理は」などと細かく質問した。
 鹿児島は3度目というアントニー・モスWSET新規事業部長(48)=英国=は「来るたびに新たな発見がある。世界ではまだ焼酎は知られていないが、一口飲めばおいしさは伝わるはず。バーテンダーに使ってもらうのが普及の近道だろう」と話した。
 夜は鹿児島市で、県と県酒造組合が開催する意見交換会に参加。県内8社の焼酎を試飲し、各蔵元の関係者と交流した。蔵元側からは「ラム酒と黒糖焼酎の違いをどう説明すればいい」といった質問があり、講師陣は「麹を使うのが黒糖焼酎の特徴。消費者は興味を持つのではないか」などと助言した。

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