今こそ、心身を清める旅!究極の浄化を求め、離島の先の離島へ

観光客が少なく、清浄な空気に満ちた「離島」。そこでは心も体も浄化されることだろう。

そんな究極の浄化を求めるあなたに離島のそのまた先の離島での旅行をご提案。今こそ行きたい、そんな至高のロケーションばかりです。


24時間味わい尽くしたい南の海の豊かな表情

◆奄美大島南部

奄美大島最南端にあるホノホシ海岸では海から日が昇ってくる。

 2021年に世界自然遺産に登録された奄美群島。奄美大島には羽田空港から約2時間半で行くことができるが、さらに車に揺られて2時間ほど行くと、観光化もほとんどされていないありのままの山や海に囲まれた、秘境のような南部の集落に辿り着く。移動中には、マングローブの原生林や、街から離れるごとに清らかになっていく海を眺められ、どんどん自然の気配が濃厚になっていくのが分かる。

奄美大島の南端から加計呂麻島を望む。

 辿り着いた先の海は、さすがに雄大で、胸を打たれるほど美しい。しかも、南端では3方向が海に囲まれているため、夜明け、明るい昼間の陽光、サンセット、さらには月や星に照らされた夜の海まで様々な光と自然の組み合わせを堪能できる。ネオンも、街の雑踏も全くなく、目に映る風景と耳で感じる音をクリアに感じる。この経験だけでもう、心身が浄化されていくに違いない。

ホノホシ海岸。丸い石以外にも自然が作った岩のアートがあちこちに。

 また、南部で“パワースポット”と呼ばれているのが「ホノホシ海岸」。つるりと丸い石で覆われた不思議な趣のある海岸で、靴を脱いで歩けば足の裏に優しい丸みを感じる。波が打ち寄せるごとに石同士が当たりカラカラと音を立て、この音がまた心地よい。自然の要素が作り上げた場所の、なんてよくできていることか! と感動してしまうほどだ。丸石の上に座って静かに目を閉じるだけで、極上の浄化の時間を過ごすことができる。

ビーチの砂はさらさらと清らか。

 奄美大島を訪れるなら足を延ばしてほしい、本当は誰にも教えたくないような場所だ。

ホノホシ海岸の近く、岩ばかりの風景で目を癒やす小花。

心も体も空っぽにして自然のエネルギーで満たす

◆THE SCENE(ザ・シーン)

海辺のデッキで行われるヨガ。初心者でもOK。海の向こうには加計呂麻島が。

 奄美大島の南端に滞在したい理由になるのがこのウェルネスリゾートの存在だ。加計呂麻島を望むビーチに面した、白と藍色のミニマルデザイン。余分な情報や設いを一切排除し、海や砂浜と溶け合い、自然が主役になる。

 ビーチと敷地は一体化。天気が良ければ冬でも暖かく、サラサラの砂浜や芝生をビーチサンダルで散歩できるほど。全室オーシャンビューの室内からは、昼は青い海と加計呂麻島、夜は星空を眺め、波音に耳を傾けよう。

施術は屋外でも。オイルのほかコアバランスストレッチ、ヘッドなどバリエーションが。

 また、ここには本格的に心の浄化や体内のクレンジングを求めて訪れるリピーターも多い。ヨガや瞑想、マッサージやファスティングプランも揃うからだ。

雲のない夜はビーチからの星空を。施設の屋上には「天空テラス」も。

 特にヨガは、海に面したデッキで行われ、朝と夕方は毎日無料で参加可能。ほかにも、夜のキャンドルヨガ、海上で行うSUPヨガなどもある。

 体をうんと伸ばし、深く呼吸することで、縮こまっていた体を解放できる絶好のプログラムばかり。外庭に源泉かけ流しの温泉まで備え、アクティビティから直行できるのも魅力だ。

ガーデンランチでは奄美大島名物の鶏飯も。

 食事は自社栽培米や契約農家の有機野菜、地元の肉や魚を使い、有名レストランのシェフが監修。

イタリアンは「カノビアーノ」植竹隆政シェフ監修。

 イタリアンと和食から選ぶ。サンセットクルーズなどのラグジュアリーな過ごし方もあり、自分好みに自然を満喫できる。

貸し切りでのサンセットクルーズも好評。

 体の内外から、心の隅々まで。いったん体を緩めて空っぽにし、清らかなエネルギーで満たすことができる南の楽園だ。

THE SCENE(ザ・シーン)

所在地 鹿児島県大島郡瀬戸内町蘇刈970
電話番号 0997-72-0111
客室数 21室
料金(1室) 2階スタンダードルームツイン仕様 33,000円~、3階デラックスルームツイン仕様 55,000円~(いずれも1室2名利用、朝食付き)
https://hotelthescene.com/

島全体がパワースポット。浄化とチャージの地へ

◆加計呂麻島

武名の海にある木製の桟橋は先端まで行って風景を独り占め。

 ほとんどの人が奄美大島を経由して渡る加計呂麻島。さらに手つかずの自然と触れることを求めて、奄美大島からワンデートリップに訪れる人も多い。

 スキューバダイビングやシュノーケリングなどのマリンアクティビティ好きには聖地でもあるが、ドライブや散策、自然を愛でるだけでも十分に楽しめ、むしろそれが贅沢。

厳島神社にて。巨大クワズイモが南国的。

 加計呂麻島もまた“浄化の島”。島民が精霊の存在を信じ、土地や樹木のパワーを口にする。実際に島を訪れてみると、その理由がよく理解できた。

「武名のガジュマル」として看板も出ている。存在が圧倒的で、神々しい。

 樹齢数百年という「武名のガジュマル」は鬱蒼とした森の中にどっしりと生えて根や枝を絡ませ、そばに立つだけですさまじい生命力を感じる。

 すぐ隣にもガジュマルの巨木があり、その根元にある不思議な青い石に惹かれる人も多いそうだ。

 ここにはまた、ケンムンと呼ばれる、奄美群島で愛される精霊のようなものが棲んでいると言われており、この場所に立てばなんだかそんな気持ちにもなってくる。

「於斉のガジュマル」で暮らす猫。

 やはり樹齢の長い「於斉のガジュマル」やそのすぐ近くにある縁結びの厳島神社、数々の滝に、もちろん透明で穏やかな海も……地元の人にも愛されるパワースポットを巡れば、どんどん気持ちが軽くなり、新たな力がみなぎってくるようだ。

 商店や飲食店は少ないけれど、それがまた島ならではの素朴な魅力。この場所にしかない個性的で、神秘的な自然に身を任せたい。

奄美大島南部のリゾートホテル「ザ・シーン」から加計呂麻島に渡る専用船。

海と教会、人と自然が交わる九州最西端のクロスロード

◆五島列島

墨絵のような風景が広がる五島の海原。

 5つの主要な島と大小140余りの島々が連なる五島列島は、古くは本土とアジア大陸をつなぐ架け橋であり、海上交通の要でもあった。

 島の大部分は西海国立公園に指定され、外洋は荒々しい海岸線が、内海は穏やかな白砂が島々の間に広がっている。

小舟が浮かぶエメラルドグリーンの入江は桐集落きっての名所。

 九州西端に位置し、中通島と若松島から成る上五島は429キロにも及ぶリアス式海岸に黒潮から分岐した対馬海流が流れ込み、海はどこまでも青く透明だ。

新上五島町北部にあるハマンナ。

 エメラルドグリーンの海と白浜が続く奇跡のようなビーチ“ハマンナ”や、遠浅の蛤浜の海は波も静かで喧噪とは無縁のサンクチュアリだ。この島では時間の移り変わりによって海の表情が変化するのも魅力のひとつ。

地平線が茜色に染まる江ノ浜郷の朝。

 早朝、空と海の境界に光が生まれ、グレーの世界がコバルトブルーを帯びる江ノ浜郷の海。

円錐岩のシルエットが印象的な矢堅目の夕日。

 夕刻、オレンジ色に焼ける空を映し出す矢堅目の海。胸を打つ絶景は、しばし瞬きを忘れるほどだ。

 カラフルな上五島の海を見守るように建つ教会は、まるで風景画のように自然に溶け込む。

世界文化遺産「頭ヶ島の集落」にある頭ヶ島天主堂。見学は事前予約を。©2021 長崎の教会群情報センター

 世界文化遺産の構成遺産にも含まれる頭ケ島天主堂や、入江の高台にある桐教会、レンガ造りが目を惹く青砂ケ浦教会等、島には趣の異なる29の教会が点在。

 2世紀以上にも及ぶ長い禁教令に耐えた信仰の証として、清らかな光と静謐な雰囲気をたたえている。

島に溢れる懐かしい景色。

 感動的な景色が日々の暮らしにありながら、島の住民は声高に語ることはなく、慎ましい。だからだろうか。ここでは全てが新鮮に感じられ、無垢な気持ちが芽生えてくるようだ。

 滞在するほど故郷のような親しみが湧く島々。色彩の海と教会を巡礼した時、島への思いは祈りと重なる。

蛤浜海水浴場「はまぐりデッキ」では自転車を借りて散策。

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