歴史と文化を感じる海沿いの温泉地。ノスタルジックな「指宿温泉」で癒される旅。

鹿児島 更新日:2021年11月10日

九州本土最南端リゾート地・指宿温泉。指宿砂むし温泉に代表される独特の温泉文化を誇り、篤姫ゆかりの地などの歴史情緒溢れる町並みを楽しめるノスタルジーを感じるエリアです。そんな指宿を存分に楽しめるスポットを紹介します。

指宿温泉とは

「砂むし会館 砂楽」で、波の音を聞きながら、温砂に浸かる

本州の最南端である鹿児島県の薩摩半島に位置し、錦江湾を望む「指宿温泉」。通年を通して温暖な気候のリゾート温泉地で、西郷隆盛が愛した地としても有名です。また、篤姫ゆかりの地としても知られています。今なお残る石垣や、武家屋敷の風情を残す通りなど歴史深いエリアでもあります。
九州の温泉地の中でも、他とは異なる魅力が多い指宿温泉。市内には、砂むし温泉ができる摺ヶ浜温泉をはじめ、山川砂むし温泉がある伏目温泉、鰻温泉などがあり、泉源は1,000ヶ所を超えます。世界でも珍しい名物の砂むし温泉はマストで入浴したいですね!2020年10月には“天然砂むし温泉の入浴者1,000万人を突破”というニュースもありました。

写真は公益社団法人指宿市観光協会の原さん

公益社団法人指宿市観光協会の原さんに秋の指宿の楽しみ方を聞いてみました。
指宿といえば、やはり砂むし温泉ですが、気候のいいこの時期に入浴するのがおすすめです。しっかりと汗をかいた後に、海辺の爽やかな風が吹き抜けると気分爽快に。またあまり紅葉のイメージがない指宿ですが、山中にある「不動山青隆寺」の日本庭園の紅葉は一見の価値ありです。
まだまだ隠れた名スポットがありそうな指宿。まずは、「不動山青隆寺」の紅葉から巡ってみましょう。

指宿の山中にある色鮮やかな寺院で、庭園紅葉を愛でる

指宿市の標高300mの山中にある不動山青隆寺

道の駅いぶすきから、林の中をしばらく車で走った山奥に突如として現れる「不動山青隆寺」。1990年に開山された真言宗の寺院で、九州では珍しい本格的伽藍が配されています。本堂をはじめ金色に輝く金色堂(護摩堂)には、目を奪われます。

11月下旬~12月上旬には、美しい鮮やかな紅葉

巨大な提灯が印象的な山門をくぐり参道を進むと、鮮やかな紅葉が出迎えてくれ、仁王門の左右には金剛力士像も!さらに奥には大きな観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)が見えます。境内に足を踏み入れると、さまざまなお堂や仏様の像、石塔が配置されて、現実ではない世界に迷い込んでしまったかのようです。
約3万坪の敷地には、僧侶により作庭されたという日本庭園が広がります。35トンの巨石や、多くの石や苔、歴史ある石灯籠が配置されて、自然との競演を楽しむことができます。例年11月下旬~12月上旬には100本を超すもみじが赤々と紅葉し、思わず息をのむ美しさ。紅葉の時期以外にもつつじや枝垂れ桜など四季折々の花々が庭園を彩ります。

敷地内にある写経道場にて写経体験もおすすめ

お堂の中には写経ができる道場があり、「般若心経」の写経の紙やお手本なども用意されていて、初めての人でも気軽に写経体験ができます。普段はなかなかゆっくりとした時間を取れない人も、写経に向き合いながら、気持ちを落ち着ける時間を持つのもいいかもしれません。

施設名
不動山青隆寺

住所
鹿児島県指宿市小牧1874-9

電話
0993-26-2306

料金
拝観料は中学生以上500円、小学生200円

営業時間
9時~16時30分

定休日
なし

真言宗 不動山青隆寺

鹿児島県指宿市小牧1874-9

真言宗 不動山青隆寺 | いぶすき観光ネット
指宿を見て、知って、遊んで、存分に楽しんで頂くための観光情報サイトです。
豊かな風味と香りが楽しめる絶品蕎麦に舌鼓

石臼でひいたそばの実を使用し、手打ちした蕎麦が味わえるこちらのお店

秋といえば、新そばの季節ですね。ということで、紅葉を愛でた後は、森の中にある蕎麦屋でランチの時間。
山道を進むと現れるこちらのお店は、2021年9月にオープンしたばかり。敷地内には、なんとソロキャンプ場を併設しており、焚火や星空など自然のなかで大人のキャンプ時間を楽しむことができます。今回は、ランチ利用ですが、静かな時間を求めて次回はキャンプ利用してみるのもよさそうです。
店内は、テーブル席が4つ。店の周りは木々に囲まれ、森を望みながら、ゆったりとしたランチタイムを過ごせます。

写真は、「石臼せいろ蕎麦と本枯わさび飯」1380円

「石臼せいろ蕎麦と本枯わさび飯」をいただきました。撮影時は北海道の新そばを使用とのこと。12月には鹿児島県のそば粉に変わるとのことで、そば粉はその時期に合うものを、全国の蕎麦農家から仕入れています。せいろ蕎麦は口に含むたびに、香りが立ち上がって広がっていくよう。つゆは関東風で、指宿の本枯れ鰹節で出汁をとっています。本わさびは静岡県産。三位一体となってすすると、豊かな風味に悶絶。本枯わさび飯にも指宿の本枯れ鰹節がたっぷり。まかないで食べていたものをお客様の要望でメニューにしたのだとか。

実際に使用している石臼。こちらでそばの実を挽いて、そば粉にしている

蕎麦は、そばの実を石臼で挽き、当日分のみを手打ちしているこだわりっぷり。「石臼せいろ蕎麦」の他にも蕎麦と、四品の料理が付いた「一蕎麦四菜(1380円)」などのメニューも。オープンと同時に満席になることもあるので、早めに行くのがおすすめです。

施設名
石臼挽き手打ち 森の蕎麦屋

住所
鹿児島県指宿市東方532-2

電話
0993-26-4811

営業時間
11時~LO14時

定休日
火曜、隔週水曜

石臼挽き手打ち 森の蕎麦屋

鹿児島県指宿市東方532-2

石臼挽き手打ち 森の蕎麦屋 | いぶすき観光ネット
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ランチの後は、波音を聞きながら砂むし温泉でリフレッシュ

干潮時は砂浜での入浴も。スタッフが砂をかけて埋めてくれる

海岸に天然砂むし温泉、館内に大浴場などを備え、地元の人たちに親しまれてきた極上のリラックススポット「砂むし会館 砂楽」。海沿いの砂の中に、人が埋まっている風景を見たことがある人も多いのではないでしょうか。波の音を聞きながら、温砂に浸かってくつろぎのひとときを満喫できます。
まずはフロントで説明を聞いたら、脱衣所で裸の上に浴衣を着ます。水着は発汗作用の妨げになるのでNG。砂の上に仰向けになると、スタッフが約50~55℃の砂をかけて埋めてくれます。サラッとした砂が体に馴染んで心地良い~。約10分で全身から汗が吹き出し、さわやかな気分に。ナトリウム塩化物を含む砂むし温泉は、砂で蒸すことで冷え性や全身美容などの効果をさらに高めるといわれています。

波音が心地よい。このまま寝てしまいそう

晴れた日の大潮等の干潮時は、波打ち際で砂浴できます。近くで波の音を聞きながら、入浴するのはまた格別。狙っていくのもおすすめです。

満潮時や雨天時でも安心。砂むし温泉を気軽に楽しめる

全天候型の屋根付きの砂むし風呂もあるので、満潮時や雨天時でも大丈夫。いつでも砂むし温泉を楽しむことができます。砂むし風呂の後は、内湯にゆっくり浸かって、さらに身体の芯まで温まりましょう。
砂むし入浴料は、大人(中学生以上)1,100円、小学生以下600円※浴衣貸出込み。フェイスタオル販売200円。バスタオル貸出は別途200円。

施設名
砂むし会館 砂楽

住所
鹿児島県指宿市湯の浜5-25-18

電話
0993-23-3900

営業時間
8時30分~20時30分(21時閉館)※土日祝を除いて12時~13時は清掃のため受付休止

定休日
なし※但し、7月・12月は点検のため臨時休館あり

砂むし会館「砂楽~さらく~」

鹿児島県指宿市湯の浜五丁目25-18

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温泉でスッキリした後は、お豆腐屋さんのヘルシースイーツ

写真は「お豆腐ドーナツ」。右から「プレーン(80円)」、「きなこ(100円)」、「チョコレート(140円)」、「はちみつレモン(120円)」

2020年3月オープンの「お豆富sweets emifull(エミフル)」。昭和47年創業「永谷豆腐店」の三代目と奥さまが営むお店です。裏の工房で作られるお豆腐はもちろんのこと、豆腐店だからこその豆腐や豆乳を使ったスイーツが並びます。
希少価値の高い大豆と天然にがりを使って毎朝丹念に作る豆腐はもちろんのこと、お豆富マフィン、濃厚豆乳プリン、シュークリーム、ガトーショコラなどのスイーツがショーケースに並びます。ガトーショコラはマクロビオティックの技術を取り入れ、卵・乳・白砂糖を使用していないんだとか。甘いものは食べたいけど、「太るかも」とか「体に悪いかも」とか気にすることなく、美味しく食べられるのは嬉しいですね。
人気のお豆腐ドーナツは4種類。ひとくち頬張ると、優しい甘さが広がります。もっちりとしているのに軽く、何個でも食べられそう。

写真は「豆乳ソフトクリーム」。右から「黒みつきなこソフト(350円)」、「豆乳ソフトクリーム(320円)」

豆乳ソフトクリームもおすすめ。まず目を惹くのが、ふんわりとしたビジュアル。ついつい写真を撮ってしまいたくなる可愛らしさ。豆乳を使用しているので、さっぱりともたれない甘さなのに、コクがあり食べ応えがあります。

カフェスペースもあり、購入したものはこちらでいただくことも可能

店内には、お豆腐がデザインされたエコバッグやTシャツなどのグッズも並んでいます。店名の「エミフル」は、「“笑”で満たされるように」という想いでつけられたそう。撮影時も次々とお客さんが笑顔で購入されていく姿が印象的でした。

施設名
お豆富sweets emifull

住所
鹿児島県指宿市山川成川1187-6

電話
0993-26-4610

営業時間
10時~17時

店休日
日曜祝日(変更の可能性有り)

お豆富sweets emifull

鹿児島県指宿市山川成川1187-6

日本茶と鰹だしにこだわったカフェで、やさしい時間に包まれる

店内ではランチやカフェメニューが楽しめる。物販の商品も揃う

南九州市頴娃町の石垣地区に2021年4月にオープンした「だしとお茶の店 潮や、」。リノベーションした築100年の古民家で営むのは、南九州特産のお茶とだし(鰹節)が味わえるお店です。
かつては貿易港として賑わった頴娃町石垣地区は多くの店が軒を連ね、物品や人の出入りが盛んだったそう。商品を保管しておく石垣の倉庫も多くあり、今でもその面影が残ります。このエリアならではの歴史を残したいと、店内のカウンターは石垣を積んで作られています。カウンターの上には茶釜があり、お茶を一杯ずつ淹れてくれます。

カフェメニューの「煎茶」各400円。味や色の違いがより分かる3種類を厳選して提供。

実は鹿児島県は、多彩な品種のお茶が栽培されている国内でも珍しいエリアです。日本茶として一般的な「やぶきた」という品種に加えて、「ゆたかみどり」や「あさつゆ」など、味や色はさまざま。
お茶の奥深い魅力をまずは知ってもらうきっかけになればと、こちらのお店では品種でお茶が選べます。味や色の違いがより分かる3種類を厳選して、「煎茶(各400円)」として提供。メニュー名も「あまみ」、「うまみ」、「まろやか」と表記され、お茶の知識がなくても選びやすい!今回は「うまみ」をチョイス。「あさつゆ」という品種のお茶で、青味がかった緑色がきれい。甘み、旨みが強く、渋みが少なく飲みやすいお茶でした。他にも焙じ茶や抹茶ラテなども揃います。

濃厚な抹茶をかけて食べる「抹茶におぼれるチーズケーキ」

14時から提供される「抹茶におぼれるチーズケーキ(500円)」もおすすめ。別添えの抹茶をチーズケーキにかけていただきます。

写真は「鯛の黄身醤油漬け」1100円

11時~14時のランチタイムには枕崎産の鰹節をたっぷりと使った自家製だしをかけて食べる「季節のだし茶漬けセット」も。撮影時には、「鯛の黄身醤油漬け」、「牛しぐれ煮」、「3種の茸と豆腐」のメニューがありましたが、トッピングの素材は季節ごとに旬の味覚に変わっていくとのこと。
店内には南九州をメインとした醤油などの調味料やグラノーラなど、作り手のこだわりを感じる商品が並びます。品種で楽しむオリジナルの日本茶やだしパックもあり、お土産に最適!

施設名
だしとお茶の店 潮や、

住所
鹿児島県頴娃町別府358

電話番号
070-4127-4306

営業時間
11時~18時(LO17時45分)、ランチは~14時まで

店休日
水曜、木曜(変更する可能性有り)

だしとお茶の店 潮や、

鹿児島県頴娃町別府358

おわりに

鹿児島市内から車で約1時間とアクセスのよさが魅力の指宿温泉。他では見られない独特の温泉文化「砂むし温泉」をはじめ、歴史ある町並みや美しい寺院を巡って、ゆったりとした癒しの時間を堪能できます
開聞岳を望みながら、爽快な海沿いドライブを楽しんでくださいね。

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