薩摩の近代化支えた鉱山遺構 手つかずのまま 保存が課題

町田正聡2022年2月17日 9時30分

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伝統工芸品の薩摩錫器の盃を持つ志賀美英さん=鹿児島市役所

江戸時代薩摩藩が経営した錫山(すずやま)鉱山(鹿児島市下福元町)の遺構を紹介する写真展が、鹿児島市役所東別館の1階で開かれている。藩が経営した5鉱山の一つで、藩主島津斉彬が進めた近代化(集成館事業)の礎になったとされる。見学無料、18日まで。

 島津家の家紋入りの坑口や露天掘り跡、トロッコのレールの残骸が残る坑内、製錬所・選鉱所跡などを写真パネル約20点で紹介。和歌と松竹梅の文様が彫られた3段重ねの盃(さかづき)などの薩摩錫器(すずき)も展示している。

 主催した志賀美英・鹿児島大学名誉教授(74)は「遺構が手つかずのまま残っており、鉱山作業の流れがよくわかる歴史的財産。ただ、訪れるたびに形が変わったり崩れたりしており、どう保存していくかが課題です」と訴える。(町田正聡)

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