西郷輝彦さんが闘った「去勢抵抗性前立腺がん」とは

[ 2022年2月22日 05:30 ]

前立腺がんのため死去した西郷輝彦さん

 

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 歌手で俳優の西郷輝彦(さいごう・てるひこ、本名今川盛揮=いまがわ・せいき)さんが20日午前9時41分、前立腺がんのため都内の病院で死去した。75歳。鹿児島県出身。葬儀・告別式は近親者のみで営む。昨春、前立腺がんが再発し、オーストラリアに渡って日本未承認の最先端治療を受けていた。「がんが消えた」と成果を報告していただけに、驚きと悲しみの声が広がった。

 【医療ジャーナリスト・森田豊氏が解説】前立腺がんは、65歳以上の男性に多くみられる。がんの中では進行速度が遅く、早期の手術や放射線治療で完治を目指すことができる。5年相対生存率は97.5%と言われる。
 西郷さんが公表していた去勢抵抗性前立腺がんについて、医師で医療ジャーナリストの森田豊氏は「前立腺がんの治療のためホルモン療法を行い、男性ホルモンの分泌が抑えられているにもかかわらず、悪化してしまう状態」と説明。現在の医療で完治するのは難しく、西郷さんは「PSMA治療」を受けるため渡豪した。
 森田氏は「放射性同位体を使用し、前立腺がんの細胞だけを狙い撃ちする方法」と解説。西郷さんがYouTube内で「がんは消えたのにPSAの値が上昇した」と明かしたことについて「ある箇所のがんが無くなっても他に転移していた可能性や、一時的にがんがなくなった後に短期間で再びがん細胞が増殖したケースが考えられる」とした。

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