大掃除でやっつけたい黒カビ。3つの方法の効果を検証(写真はイメージ)【写真:写真AC】
まもなく年越し。そろそろ大掃除も終わらせたいところですが、毎日使う場所は最後にするという人も多いでしょう。中でも特に大変な風呂掃除は、タイミングを考えてしまいますよね。高温多湿になる浴室はカビが発生しやすく、気がつけば至るところに赤カビや黒カビが……。そこで今回は、浴室のパッキンに発生した黒カビを撃退するライフハックを検証。3つの方法のうちどれが一番効率的に落とせるのでしょうか。
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黒カビが発生する原因
黒カビが発生したお風呂場【写真:Hint-Pot編集部】
そもそもカビは、以下の条件が揃うと発生しやすいそうです。
・温度が20度~30度(特に25度前後は菌が活発になる)
・70%以上の湿度
・皮脂やアカの栄養がある
これらの条件が揃いやすい浴室はカビにとって最高の場所。発生を防ぐには、こまめに換気をして湿度を下げたり、入浴後に水分を拭き取ったりする方法があります。でも、日々のそうした心がけは面倒ですよね。放置した結果、大掃除の時期に頭を抱えてしまった……という人のために、ネット上などでは裏ワザがよく紹介されています。そこで今回検証した方法は以下の3つです。
【検証する黒カビ落としライフハック】
1. 塩素系漂白剤と片栗粉
2. 塩素系カビ取り剤
3. 重曹と酸素系漂白剤(粉末)
いずれもドラッグストアや100円均一ショップなどで入手できるアイテムを使ったものですが、取り扱いには注意が必要です。
○塩素系漂白剤と塩素系カビ取り剤
絶対に混ぜてはいけないものがあります。酸性タイプの洗剤などと混ざると塩素ガスが発生し大変危険ですので、周囲に他の洗剤が残っていないか、ボトルを近くに置いていないかなど、しっかり確認してください。
肌に付着しないよう作業中はゴム手袋を使用し、万が一付着した場合はすぐに流水で洗い流してください。飛沫が目に入った場合は直ちに流水で丹念に洗い流し、眼科の受診を。救急病院でも対応してもらえますので、放置は厳禁です。また、衣類に付着するとその部分の色が抜けてしまいます。作業中に飛び散ることもあるため、捨てても良い着古した衣類を着用しておくと安心です。
○酸素系漂白剤
酸素系漂白剤には液体と粉末があり、今回使用するのは液体よりも漂白力が高いとされている粉末タイプです。
ちなみに花王株式会社の公式ウェブサイトによると、同社製「ハイター」などの塩素系漂白剤と「ワイドハイター」などの酸素系漂白剤が混ざると酸素が発生するそう。また酸素系漂白剤同士では、液体の「ワイドハイター」などと粉末の「ワイドハイター クリアヒーロー クレンジングパウダー」が混ざった場合も同様とされています。酸素のため吸入しても危険はないものの、混合液を容器で密閉すると破裂することがあるそうです。
1. 塩素系漂白剤と片栗粉:混ぜ合わせる手間はあるが効果は歴然!
まずは、塩素系漂白剤と片栗粉を混ぜ合わせたペーストを使う方法から試してみましょう。酸性タイプの洗剤などが残っていないか、近くにないかなど、作業前にしっかりと確認を。
必要なものは片栗粉と塩素系漂白剤【写真:Hint-Pot編集部】
【手順】
1. 塩素系漂白剤と片栗粉を1対1の割合で混ぜる
塩素系漂白剤と片栗粉を1:1で混ぜる【写真:Hint-Pot編集部】
混ぜ合わせるときは必ずゴム手袋をはめましょう。洗面器に入れて混ぜ合わせると、後片付けが楽になりますよ。またペーストが飛び散らないよう、丁寧な作業を心がけてください。
2. 落としたい黒カビの部分に塗りつけ5分置く
ペーストした液をカビの部分に付ける【写真:Hint-Pot編集部】
あまり長い時間放置するとゴム部分を傷める可能性があるのでご注意を。
3. 流水できれいに洗い流す
シャワーなどを使って洗い流します。
【結果】
塩素系漂白剤と片栗粉ペーストの使用前(左)と使用後(右)【写真:Hint-Pot編集部】
効果は一目瞭然! プラスチックの壁部分もゴム部分も、黒カビが見事に撃退できました。
2. 塩素系カビ取り剤:臭いはきついが一番手軽
塩素系カビ取り剤だけで撃退できるのか?【写真:Hint-Pot編集部】
次は、ドラッグストアや100円均一ショップなどで手に入るカビ取り剤です。こちらも周囲に酸性の洗剤が近くにないかなど、入念に確認してからお試しください。また吹き付ける際の飛び散りにもご注意を。
【手順】
1. 黒カビが発生している部分に塩素系カビ取り剤を吹き付ける
始めは泡があったが、徐々になくなっていく【写真:Hint-Pot編集部】
黒カビが発生している部分から15センチほど離して、塩素系カビ取り剤を吹き付けます。始めは泡がありましたが、徐々になくなっていきました。
2. 数分~数十分放置する
汚れがひどい場合は数十分放置するとより効果的です。
3. 約10分間、放置したあと流水で洗い流す
シャワーなどを使って洗い流します。
【結果】
塩素系カビ取り剤の使用前(右)と使用後(左)【写真:Hint-Pot編集部】
塩素系カビ取り剤を使用した場合もきれいに取れました! 吹き付けるだけなので1の方法よりお手軽です。
3. 重曹×酸素系漂白剤(粉状):塩素系の臭いが苦手ならこれ
重曹と酸素系漂白剤を用意【写真:Hint-Pot編集部】
最後は酸素系漂白剤(粉末)と重曹を混ぜ合わせたペーストです。
【手順】
1. 重曹と酸素系漂白剤を合わせたものに水を加えて混ぜる
重曹と酸素系漂白剤、水を混ぜ合わせてペースト状にする【写真:Hint-Pot編集部】
2つを混ぜた量に対して約0.5にあたる割合の水を加え、静かに混ぜます。水分が多いと塗った時に垂れてしまうので、量を調整しましょう。
2. カビを撃退したい部分に塗り、2時間放置する
3. 流水で洗い流す
2時間経過した様子【写真:Hint-Pot編集部】
ブラシなどを使うときれいに洗い流すことができます。
【結果】
重曹と酸素系漂白剤ペーストの使用前(左)と使用後(右)【写真:Hint-Pot編集部】
塩素系を使用した1と2のように一目歴然にはなりませんでしたが、ある程度はきれいになりました! 鼻につく刺激臭がないのも大きな利点でしょう。ただし、ペーストの水分量を調整するのが難しく、ゆるめに作ると場所によっては徐々に液が垂れてしまうことも。この方法は液を塗ってから放置する時間が長いため、垂れてしまうと効果が薄れる可能性もあるでしょう。
今回検証した3つの方法で、一番手軽なのは吹き付けるだけの塩素系カビ取り剤でした。放置時間も5分程度でOKのため時短にもなります。とはいえ、塩素系は漂白剤もカビ取り剤も臭いがきついもの。苦手な場合は、日中に重曹と酸素系漂白剤のペーストを塗って、夜の入浴時に洗い流すという方法が良いかもしれません。
新しい年はやはり、すっきりきれいな家で迎えたいですよね。時間と相談しながら効率良くカビを落として、ピカピカの浴室を実現させてください!
(Hint-Pot編集部)
【写真】黒カビ取り3つの方法 ビフォーアフターを並べて比較
塩素系漂白剤×片栗粉を使用前と使用後
カビ取り剤と使用前と使用後
重曹×酸素系漂白剤の使用前と使用後
【写真:Hint-Pot編集部】
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