「厄が過ぎる」縄文杉発見から50年余 屋久杉、香りも人気

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縄文杉。1966年5月28日に発見された=鹿児島県屋久島町で2023年4月20日、宮武祐希撮影

 5月28日は世界自然遺産の鹿児島県・屋久島で「縄文杉」の存在が初めて確認された日――。鹿児島市東千石町の「かごしま特産品市場・かご市」には、屋久杉の関連商品が数多く並び、近年は杉の木粉を原料にした線香やお香が人気を集めているという。

 縄文杉は、1966年に旧上屋久町(現屋久島町)の職員、岩川貞次さん(故人)が、山中で樹齢数千年の杉を発見した。翌年、地元紙が元日の紙面で大きく取り上げたことで広く知られるようになった。

 それから50年余り。かご市で扱う屋久杉の関連商品は約120点に上る。このうち2022年度の売り上げは箸(31%)が一番人気で、次いでコースター(10%)、器(9%)と続き、線香・お香は置物・花瓶と並んで8%となっている。

屋久杉を使った線香

屋久杉を使った線香

 線香・お香は、19年度に関連商品の売り上げの1%だったが、ここ数年、額だけでも6~7倍に急伸。アロマ市場の拡大もあり、屋久杉で作ったお香立てとのセットなど新商品も続々と登場している。

 かご市の運営に関わる「かごしま特産品研究所」の中島秋津子(あつこ)研究員は「屋久杉は『厄が過ぎる』という縁起物でもあり、贈り物にも喜ばれる」と話している。【梅山崇】

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