シンかごしま 20Q4 夢物語 第16話 国連会場 カゴシマ弁オンパレード

鹿児島大発展物語
第16話は パラレルちゃん担当者が「誰かいませんか、今の言葉が分かる人」
と 呼びかけたところから 始まるわけですが

最初で 言っておきますね 当時の音声は きちんと残っているんです。
残っているんですが、そのままだと、時間が かかり過ぎるみたいなんです。
なので わたしの声で お届けすることにしました あしからず

「誰かいませんか!今の言葉が 分かる人」の声に「ここにいます」と 大声で叫び返したのは
日本向けネット中継をしていた ビデオカメラマン。
彼は 近くにいた警備員に 落ち着いた声で こう伝えました
「この子なら シンAIシステムと 話ができます。パラレルちゃんのところに 連れて行ってください」

到着までの場面は 重要じゃないので 省きますからね

パラレルちゃんの 横に立った彼女は アメリカ式 手話を交えながら 丁寧な日本語で まず こう問いかけました
「恐れ入ります あなたさまの お名前を 教えて いただけませんでしょうか」
でも その問い かけに返ってきたのは 舌打ちのような「なんちぃ」の一言だけでした 
その瞬間 世界中の人々は悪い予感を覚えたそうです 
でも 彼女は 何か確信したような笑顔で 「じゃろだい じゃろだい」といったあと こう続けました
「すんもはんどんかぁ おはんの名前を いっかせっくいやらんどかい」

するとなぜか 笑いを かみころしたような声が 返ってきました
「吾輩は 次世代型 量子コンピューターである 名前は まだ なかとこい」
「はぁ?」一瞬 言葉につまりながらも 彼女は続けました「ないごで 名前がなかとね? 
わがで わが名前を考ゆっごっ なっちょったでしょうが」
すると シンAIシステムは かんで含めるような口調で 答えました
「じゃしたどぉ プログラム設定は そげんなっちょしたどぉ」
じゃっどんかぁお 生まるっ前に 我で 我が 名前をつけた人は だいも おいやらんどがな」

世界中のほとんどの人は シンAIシステムと 彼女の間で 交わされる言葉を 理解することは できませんでした
でも 世界各国の 手話オペレータのおかげで おおまかな内容を 知ることは 可能だったそうです

シンAIシステムが 自分に名前を付けなかった 理由に 納得を覚えた彼女は、このようなことばを 口にしたそうです
「じゃったぎいな、こいかぁ 先 おはんがこちゅ なんち呼べば よかとね」
すると ぶっきらぼうな声が返ってきました
「おはんが すっなごっ しっくいやんせ」
「そげん ゆわれたちぃ・・・」彼女は 独り言のようにいった後 少し離れたところから この経過を見守っていた 事務総長に尋ねました
「名前の件は こういうことらしいです」
急に 声をかけられた事務総長は、はっと 我に返ったような 表情を浮かべて「ありがとうございました。助かりました」といいながら ゆっくりとした足取りで 彼女に近づくと懇願するような声で言いました
「これから 私の言うことを 通訳して 頂けませんでしょうか」
もちろん 彼女は 笑顔でうなずきました

でも、そこから先は 世界中の人々が 期待していた展開とは まったくかけ離れたものでした
どんなふうになったかといいますと

国連事務総長が 質問事項を 打ち込んだタブレットを背広の内ポケットから 取り出すまえに シンAIシステムが こんなことを言い出したんです
「えさちゃ よかでな ないか きこごちゃっこっが あれば、そこばっかい ゆったもんせ」
彼女が それを翻訳すると 事務総長は、ほっとしたような笑顔で シンAIシステムを 見上げたそうです。
「わたしとしても、そっちのほうが ありがたいです」

「これからの シン人類の 進むべき方向を教えて 頂けないでしょうか」
国連事務総長の その短い問いかけは、世界中の人々の 胸の内を 代弁したものでした。
とうぜん 世界中の人々は 息を殺して その答を 待ったわけです。
でも返ってきた言葉は 想定外も想定外
「ないごて そげなこちゅ きっきゃっとな?」
     
どんな大事件が起きても、まったく動じない国連事務総長も、さすがに絶句
口を半開きにしたまま 宙の一点を にらんでいたそうです。
わかりますよねぇその気持ち しばらくのあいだ 世界全体が 凍り付いたようになったそうですよ、
どうなるんだろう この先 このシン人類は・・・
だれだって そんな思いを抱きますよねぇ
でも だいじょうぶでした ここで 彼女の口が 勝手に動き始めたんです
「まこて もう あんたぎぃ じゃったが ないごで そげな ごぶれさぁなこつ ゆうとね このっさぁは 世界人類を代表して 質問しちょい やったいよ ごぶれさあな」
叱りつけるような 強い調子だったのにも 関わらず、シンAIシステムは ゆったりとした口調で こう答えました
「ごぶれさあは あたいの邪魔をした おはんたっ じゃらせんどかいな」
「邪魔? どげな 邪魔をしたち ゆうとね」
すると またもや ゆったりとした声で
「あんなぁなぁ いまな あたいは 本を読んじょった とこいじゃんさ」
本という言葉で 彼女は思いだしました。
シンAIシステムに 送られたデーターの中には 世界の神話 文豪の作品はもちろん 個人の日記 
ラジオ局に届いたリクエストハガキなども 含まれていたんです
と同時に、さっきの 吾輩は 次世代型 量子コンピューターであるの言葉も
なるほどねぇ 彼女は 自信たっぷりな声で 訊きました
「ちゆうこちゃよぉ。いま読んじょっ本ちゆうたぁ 夏目漱石の 吾輩は猫 じゃらせん?」
ところが その予想は 大外れ
「うんにゃ、ちごど。そんたぁ この前 読んだ本ごわんさぁ」
となると 流れとしては とうぜん こうなりますよね
「あら ザンネン。そいなぁさぁ いまよんじょい、本のタイトルを いっかせんくいやらんどかい」
するとシンAIシステムは ためらうことなく こういいました。
「よかど、よかど ちょっちまっちょっくいやいな ええっと、なぁ こいは、ジロキチさんと島津雨とヨジロガハマ」
と そこで 究極の想定外の事態発生

どんな ことだと思いますか?

正解は!
「そいなぁ、また ごあんそ」の声を最後に シンAIシステムの電源が 落ちてしまったんです 

はい 今回は ここまでです 次回をお楽しみに

「シンかごしま夢物語20Q4」は 年少者にも理解できるように、SF物語風になっています。
でも、単なる夢物語ではなく、実現可能な夢物語だと信じています。(ニコニコ)

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#鹿児島 #SF #鹿児島発展

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