日本ハム系2工場、来春閉鎖 従業員300人の処遇「対応を検討」 グループ再編

2022/04/13 06:50

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 伊佐市に本社を置き、牛豚の食肉処理を手掛ける日本ハム子会社「日本フードパッカー鹿児島」(FP鹿児島)が2023年3月をめどに操業を停止し、清算手続きに入ることが分かった。同じ敷地内にある日本ハム系の加工品製造・販売「日本ピュアフード」鹿児島工場も同時に閉鎖される。
 2工場の従業員は約300人。日本ハムは「処遇について真摯(しんし)に対応を検討する」としている。
 日本ハムが12日までに発表した。設備老朽化への対応などで多額の投資が必要となる中、グループの食肉関連子会社を再編して事業基盤の強化を図るのが狙い。関係者によると、従業員には8日の勤務終了後に閉鎖方針が告げられた。
 FP鹿児島は1973年4月に日本ポークとして設立された。年間処理能力は牛1万2000頭、豚41万2000頭。日本ピュアフード鹿児島工場は86年10月に操業を始め、FP鹿児島から原料供給を受けて加工品を製造している。
 市は14日に来庁するFP鹿児島幹部から撤退理由などの説明を受ける予定。橋本欣也市長は「人口2万5000人の市にとって約300人の雇用が失われるのは大きな問題。詳細を聞いた上で市に何ができるかを精査し、従業員や畜産農家の生活を守れるように最大限努力したい」と話した。
 子会社再編では、ほかに日本フードパッカー(青森県)が22年10月をめどに日本フードパッカー四国(徳島県)を吸収合併。日本フードパッカー津軽(青森県)が24年3月をめどに操業を終える。

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