屋久杉と普通杉の違いってなあに?『世界遺産 屋久島』の知っておきたい情報&見どころポイント

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鹿児島県の本土最南端“佐多岬”から南南西へ約60km。東シナ海の海上に浮かぶ屋久島は、豊かな緑に育まれた自然溢れる島として有名です。
火山島ではなく花崗岩が隆起し形成された島であり、島中央に行くに従って標高は上がっていきます。そのため大部分は山岳地帯となり、人々が住む場所は海岸部に集中しています。

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島には1,000m – 1,900m級の山々が連なっており “洋上アルプス”との別名が付けられているほど。最高峰は1,936mの宮之浦岳で、この山巓は九州エリアの山々と比べても最も高い山になります。

日本の中でも緯度が低い島であるため、常夏の島とお思いの方もいるかと思いますが、常夏気候と言われているのは島南部だけで、冬場の山間部には2m以上もの雪が積もります。
また屋久島は、 “ひと月に35日雨が降る”とも言われていますが、これは小説家の林芙美子さんの著書 “浮雲”の一節に由来しているものです。事実、屋久島の海岸部の年間降水量は約4,400mm、そして山間部では10,000mmの雨が降ります。東京の年間降水量は1,600mm程度ですので、林芙美子さんがこうした一節を本の中に認めたのも頷けますね。

海岸部と山間部では気候は大きく異なりますので、旅行時の雨対策は必須です。しっかりと準備をして、屋久島観光を楽しみましょう。

目次

  • 自然の宝庫、世界自然遺産 “屋久島”
  • 屋久島には車で行ける世界遺産エリアもある
  • “屋久杉”と普通の杉の違いってなに?
  • 屋久島の主な見どころ
  • 縄文杉
  • ウィルソン株
  • 白谷雲水峡
  • ヤクスギランド
  • 永田いなか浜
  • 屋久島インフォメーション
  • 屋久島へのアクセス
  • 屋久島の周辺スポット
  • 自然の宝庫、世界自然遺産 “屋久島”

    現在日本には5箇所の世界自然遺産がありますが、中でも屋久島 (鹿児島)と白神山地 (青森・秋田)が登録されたのは、1993年12月のこと。当時国内で初めて登録された世界自然遺産として、多くの注目を集めました。

    登録された理由は、平均寿命を大きく越えた杉の木が自生しているなど独特な自然環境を有しているほか、島内に多数の固有種や絶滅危惧種の動植物が生息しているためです。
    とくに杉の木の樹齢は、一般的に500年ほどと言われていますが、ここ屋久島では樹齢1000年を超える杉の木が珍しくありません。中でも最も長寿とされる“縄文杉”は推定3,000歳以上とされており、旧石器時代の頃からここ屋久島にあり続けていることになります。

    屋久島には車で行ける世界遺産エリアもある

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    レンジの部分が世界自然遺産の登録エリア

    よく“屋久島の島全体が世界遺産に指定されている”とお思いの方がいますが、実際には違います。世界遺産登録区域に指定されているのは主に山間部で、島の約2割、10,747haの部分となります。
    しかし島の西側には海まで世界遺産登録区域が伸びている “西部林道”エリアがあり、車を走らせれば簡単に行くことができる世界遺産スポットとして人気を集めています。

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    西部林道は、元々世界遺産登録区域になる予定ではありませんでした。
    当時審査員の方々が屋久島に訪れた際に、西部林道のこの景色を見て感動し、急遽登録区域に含まれることが決まったのだとか。

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    西部林道は道路拡張工事を行っている最中に世界遺産への登録が決まったため、一部箇所を除いて大半の道路が道幅狭い峠道となっています。またその上観光バスの往来も頻繁にあるため、運転になれていない人はかなり注意して走る必要があります。

    “屋久杉”と普通の杉の違いってなに?

    屋久島に生えているから屋久杉である。
    この様に思っている人も多いのではないでしょうか。お恥ずかしながら筆者も依然はそうでした。

    しかし、実際には屋久島には屋久杉と呼ばれない普通の杉も存在しているんです。
    そうなってくると気になるのが、“屋久杉と“普通の杉”の違い”。一体どのような杉の木と屋久杉の境目はなんなのでしょうか。気になる条件は以下の通りです。

  • 標高600m〜1600mにある杉の木であること
  • 人工的に植樹されたものでなく、屋久島の自生林として自然に成長した杉の木であること
  • 樹齢が1000年を超える杉の木であること
  • この条件を満たしている杉の木だけが、屋久杉と名乗れるのです。

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    ちなみに日本本土に生えている杉の木と、屋久島で育っている杉の木は植物学的に同じ品種ですが、屋久島の苗木を本土に植えても長寿の杉の木に成長するわけではありません。屋久島ならでは気象条件と土壌が重なるからこそ、杉の木はより長寿により太く成長できるのです。

    屋久島の主な見どころ

    縄文杉

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    屋久島に自生する杉の木の中でも最大級・最長寿の屋久杉です。
    年齢は3000年以上と推定され、見に行くには往復約8 – 10時間のトレッキングが必要となります。

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    ウィルソン株

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    1587年頃、戦国大名 豊臣秀吉の命により、方広寺大仏殿 (京都)を建てるため切り倒された屋久杉の切り株です。切り株の中に入ることができ、見上げると“ハート型”に見えるポイントがあるとして人気なフォトスポットとなっています。

    ウィルソン株は縄文杉の見に行くトレッキングルートの道中にあるため、是非立ち寄ってみましょう。

    白谷雲水峡

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    ジブリ映画 “もののけ姫”の舞台とされている屋久島屈指の人気トレッキングコースです。(トレッキングの所要時間は3時間 – 5時間ほど)
    入り口近くまで車やバスで行くことができ、島の自然を堪能できるスポットとなっています。

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    フェリー発着場である宮之浦港からも比較的行きやすいため、旅程にも組み込みやすいのもポイントです。

    ヤクスギランド

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    白谷雲水峡と同じく人気のトレッキングコースで、多くの屋久杉を間近で鑑賞できる場所となっています。広大な森の中には5つのコースが設定されており、自身の体力状況に合わせて好きなコースを選べます。

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    またヤクスギランドからさらに、車で15分ほど山道を進むと、樹齢3000年と推定される“紀元杉”が見られます。

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    通常老齢の屋久杉を見るにはヤクスギランドのようなトレッキングコースを歩いて見に行く必要がありますが、紀元杉は道路脇、車から降りてすぐの場所に立っているため、足腰の弱い方、また車いすの方でも手軽に屋久杉の凄さを体感できます。

    永田いなか浜

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    人の手があまり入ることなく、昔ながらの自然形体を色濃く残す屋久島。そして島の北東部に位置する永田いなか浜は、絶滅危惧種であるアカウミガメとアオウミガメの産卵地として有名です。

    毎年産卵期間の5月1日 – 8月30日まで、浜への夜間立ち入りには制限がかかります。ウミガメの生態を間近で見たい人は保護団体が行っている “ウミガメ観察会”に参加しましょう。

    名称
    ウミガメ観察会
    住所 [Google Map]
    〒891-4201 鹿児島県熊毛郡屋久島町永田
    開催時間
    20:30 – 23:00
    受付開始は20:00 -となります。
    定員40名の事前予約制です。
    予約先
    電話; 0997-45-2280
    ホームページ; http://nagata-umigame.com/
    入場料金
    ¥2000 (高校生以上)
    ¥500 (中学生以下)
    駐車場
    あり (無料)
    公式サイト
    http://nagata-umigame.com/

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