国重文指定の神社で火災 最古の「焼酎」落書きあった本殿は無事

 

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全焼した郡山八幡神社の社務所=鹿児島県伊佐市大口大田で2022年11月23日午後5時11分、成松秋穂撮影

23日午前5時半ごろ、本殿が国指定重要文化財の郡山八幡神社(鹿児島県伊佐市大口大田)から火が出ているのに通行人が気付き、119番した。木造平屋の社務所約145平方メートルを全焼し、約1時間後に消し止められた。日本最古とされる室町時代の「焼酎」の文字の落書きが見つかった本殿は無事だった。

県警伊佐湧水署によると、社務所には出火当時、人はいなかった。同署と消防が24日も実況見分を続け、出火原因を調べている。

郡山八幡神社の歴史を伝える看板=鹿児島県伊佐市大口大田で2022年11月23日午後5時13分、成松秋穂撮影

郡山八幡神社の歴史を伝える看板=鹿児島県伊佐市大口大田で2022年11月23日午後5時13分、成松秋穂撮影

県観光連盟の公式サイトによると、郡山八幡神社は1507年以前に建立されたとされる。本殿には、1559年当時の大工が「焼酎」と記したとみられる落書きがある。これが「焼酎」の文字としては日本最古のため、大口地域が焼酎発祥の地とされる。本殿は1949年、重文に指定された。

関係者によると、23日は秋の例大祭が開かれる予定だったが中止になった。自宅から駆け付けて消火活動に参加した自治会長の西和博さん(57)は「神社は地域の宝。本殿に燃え移らないように必死で水をかけた。燃え移らなかったのは不幸中の幸いで神様が守ってくれたのだと思うが、初詣用のお守りなども全て燃えてしまった」と肩を落とした。【成松秋穂】

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