「わっぜおもしとか」鹿児島弁 劇やクイズで子どもらが学ぶ

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方言について発表する鹿児島大の学生=鹿児島市山下町、町田正聡撮影

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鹿児島弁で書かれた絵日記や作文も展示された=鹿児島市山下町、町田正聡撮影

 かごんま弁は、わっぜおもしとかよ(鹿児島弁はすごく面白いよ)――。クイズや劇などを楽しみながら鹿児島弁に親しんでもらう鹿児島方言週間フェスティバルが11、12日に鹿児島市のかごしま県民交流センターであった。11月第3週の鹿児島県方言週間に合わせて開かれ、今年で7回目。

 劇場コーナーでは、鹿児島弁劇団「げたんは」と児童5人が、創作劇「少年ゴンザ物語」を上演した。江戸時代中期にロシアに漂着し、苦難を乗り越えて初の露日辞典を作った薩摩人ゴンザの一生をナレーションで紹介。劇団員と子供たちが、ゴンザがロシアに流れ着く場面までを鹿児島弁で熱演した。

 出演した城ノ下愛葵(あおい)さん(9)=西田小3年=は、家族の中で方言を話すのが祖母だけ。鹿児島弁はこれまでほとんどわからなかったが、劇のために懸命に練習したという。「鹿児島弁は楽しさを感じる。もっともっと話せるようになりたい」と目を輝かせた。

 鹿児島大の学生による活動の発表もあった。AIを活用して「びんた(頭)が痛い」「おやっとさあ(お疲れさま)」などの鹿児島弁を標準語に訳すと、観客は「すごい」「便利だ」と感心した様子だった。

 なぞときコーナーでは、問題を解きながら「ずんだれ(だらしない)」「すんくじら(すみっこ)」「ぐらしか(かわいそう)」などの鹿児島弁を、親子で一緒に口ずさむ姿も。

 主催した鹿児島方言文化協会の種子田幸廣会長(73)は「方言は地域の宝。みんなで伝承していきたい」と話す。これまで鹿児島市内が中心だった鹿児島弁の出前授業を、今後は県全体に広げる予定だ。(ライター・町田正聡)

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