鹿児島弁、生き残れる? 使用頻度が九州平均より低め…専門家が分析する、そのわけとは【九州4紙アンケート】

 鹿児島弁は、九州の他の方言よりも存続の危機? 南日本新聞、宮崎日日新聞、熊本日日新聞、西日本新聞の九州4紙は、方言についての合同アンケートを行った。家族、職場や学校、親しい友人間-での使用頻度を尋ねたところ、鹿児島の方言を「いつも使う」「多くの場合で使う」とした合計は、いずれの場面も九州平均を1割前後下回った。記述回答では、方言への誇りや愛着が目立った。
 アンケートは、南日本新聞の「こちら373」を含む4社の無料通信アプリLINE(ライン)などを使い、10月6〜15日に実施。3226人から回答があった。うち、鹿児島の方言を日頃使っているのは1357人で最多だった。
 家族との会話で方言を使う頻度について「いつも使う」「多くの場合で使う」の合計は、九州平均60.7%に対し、鹿児島は47.8%だった。職場や学校では、九州平均43.4%、鹿児島35.7%。親しい友人とでは九州平均59.6%、鹿児島48.7%だった。
 相手によって使い分ける人が多く、鹿児島の方言と共通語を「半々ぐらい使う」としたのは、家族間27.7%(九州平均22.6%)、職場・学校27.1%(同26.7%)、友人間23.4%(同21.4%)だった。
 一方、鹿児島の方言に対し「気持ちが伝わりやすい」「仲間とのつながりが深まる」などと愛着を持つ人は多い。「失いたくない文化」「なくなると寂しい」といった声も目立った。
 身近な方言の好感度を10点満点で聞くと、鹿児島は7.3、九州平均7.7。どの程度誇りを持っているかは鹿児島7.1、九州平均7.5だった。
 アンケートを監修した人間文化研究機構長の木部暢子氏は、鹿児島の使用頻度が九州平均を下回ったことについて「鹿児島の言葉は音の変化が激しく、九州の中でも独特。その反動で厳しい共通語教育が実施され、方言を話してはいけないと指導された影響がありそうだ」と分析した。


 アンケートは多様な声を聞くのが目的で、無作為抽出で民意を把握する世論調査とは異なります。

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