「俺たちの鴨ダイが…」「青春の思い出の地だった」 8月閉店、イオン鴨池を懐かしむ声続々 鹿児島

ダイエー鹿児島ショッパーズプラザのオープンを伝える1975(昭和50)年7月12日付南日本新聞朝刊

ダイエー鹿児島ショッパーズプラザのオープンを伝える1975(昭和50)年7月12日付南日本新聞朝刊

〈関連〉8月末で閉店するイオン鹿児島鴨池店=24日午後1時20分、鹿児島市鴨池2丁目

〈関連〉8月末で閉店するイオン鹿児島鴨池店=24日午後1時20分、鹿児島市鴨池2丁目

「俺たちの鴨ダイが…」「青春の思い出の地だった」-。鹿児島市鴨池2丁目のイオン鹿児島鴨池店が8月末に閉店することが明らかになった24日、ネット上には約半世紀の歴史を惜しむ声が相次いだ。2015年にイオングループに運営が移るまで”ダイエー鴨池店(鴨ダイ)”として親しまれた同店。閉店を伝える南日本新聞のX(旧Twitter)にも学生時代の思い出などを懐かしむ投稿が寄せられた。
1975(昭和50)年7月12日の南日本新聞は、オープン当日の様子を「ダイエー ビッグな初日/押すな押すな八万人/ド肝抜かれた地元商店」との見出しで、大々的に報じた。
以来49年間、立地する地名にちなみ「鴨池ダイエー」との呼び名で多くの県民が親しんだ。特に放課後やデート、家族との外出で頻繁に使った世代からは「友人同士で”鴨ダイ”と呼び合って、高校・短大時代にお世話になりました」「子供の時からクレープよく食べた」「エレベーター近くのお店でソフトクリーム買ったり、ドムドムバーガーでコロッケバーガー食べていた」「塾とフェリーのすきま時間でシュークリームたべるのがだいすきだった」など、食にまつわる投稿が多かった。
中には「小さい頃、迷子になってファストフード店の人がフライドポテトをくれて、それを食べながら親の迎えを待ってた」というせつない思い出や、「ま? タカプラや西駅一番街に続き思い出のスポットが消えてく」と相次いで姿を消す”街のシンボル”を惜しむ声も寄せられた。
閉店を惜しむ声の一方、再出発へのエールも。「築49年。確かにお年を召されました。リニューアル楽しみです」「長崎のスタジアムシティみたく、商業施設を併設したアリーナとか建たないかな」と今後の再開発への期待もみられた。
◇「閉店まで感謝の気持ち込め営業」
閉店の説明は入居する60店舗のテナントに対しても24日始まった。「建物が古くなっており、昨年から(閉店の)うわさはあった」と納得する声がある一方、「閉店まで半年間しかなく、急な話で驚いている」と困惑する経営者もいた。
イオン九州(福岡市)によると、閉店理由は経営悪化ではなく、空調や配管といった設備面の老朽化での故障リスクが高いことが主因としている。閉店後は建物を解体し、イオングループが商業施設や複合型施設などを視野に再開発する。再開発の内容やスケジュールについては検討中。
同社の吉田圭司社長室長は「長らく鹿児島の人に愛されてきた店。閉店まで感謝の気持ちを込めて営業していく」と話した。
同店は1975年、鴨池動物園跡地にダイエー鹿児島ショッパーズ・プラザとしてオープン。当時は県内では珍しい大型商業施設だった。2015年、イオングループに運営が移り、土地と建物はイオン九州が取得した。鉄筋コンクリート2階建てで、店舗面積は約2万1000平方メートル。
直営店舗の従業員はパートなども含め約290人。イオンモール鹿児島や同社が展開するスーパー、マックスバリュなど、近隣店舗で受け入れる予定。

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