「桜島が見える、みんなが行きたいと思うスタジアムに…」鹿児島市長一押しのドルフィンポート跡地案、メインスタンドからの眺望は限定的

浜町バス車庫のスタジアムから望む桜島のイメージ(鹿児島市提供)

 浜町バス車庫のスタジアムから望む桜島のイメージ(鹿児島市提供)

ドルフィンポート跡地のスタンドから望む桜島のイメージ。右側にちょっと顔を出しているのが桜島(鹿児島市提供)

 ドルフィンポート跡地のスタンドから望む桜島のイメージ。右側にちょっと顔を出しているのが桜島(鹿児島市提供)

 鹿児島市が鹿児島港本港区で検討するサッカー等スタジアムは、スタンドから望む桜島がセールスポイントになる見込みだ。しかし市の配置案によると、本港新町のドルフィンポート(DP)跡地一帯からの眺望は、住吉町15番街区、浜町バス車庫に比べて見劣りすることが判明。下鶴隆央市長は初期費用などを根拠にDP跡を優位とするが、「桜島ビュー」を加味すれば、そう言い切れない実態が浮かび上がる。
 「桜島が見えるスタジアムは、みんなが行きたいと思うはずだ」。12日夜、市が開いたサッカー元日本代表らによるトークショー。富士山を一望する静岡市のスタジアムを例に、桜島を間近に望む鹿児島らしい施設整備に期待を寄せた。
 J3鹿児島ユナイテッドのホーム、白波スタジアムもメインスタンドから桜島が見える。7月には試合前に爆発した桜島の画像が交流サイト(SNS)で広がり「花火よりインパクト大」などと注目を集めた。
 市の案では、住吉と浜町はメインスタンドから正面に桜島が見える。目の前に広がる活火山の迫力は、自然と共存する「マグマシティ」の魅力を全国に発信できる可能性を秘める。
 一方、DP跡地一帯の場合、限られた敷地に県の新総合体育館も建つ計画のためスタジアムの向きまで融通は利かず、メインスタンド中央から桜島の全景を望むのは難しい見通し。DP跡は「県都の最後の一等地」とされるが、スタジアム内からの桜島の眺望は他の2カ所に劣る可能性がある。
 市スポーツ課は「バック・サイドスタンドの高さを工夫すれば桜島の眺望はイメージより良くなる。実際の設計で全体の景観にも配慮しながら検討したい」としている。

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