「糖鎖」とナノ技術でコロナ・インフル同時検査キットを開発 鹿児島大から誕生したベンチャー企業が「ものづくり日本大賞」優秀賞

鹿児島大学内の実験室でウイルス濃縮作業をする研究員と隅田泰生特任教授(右)=2017年、鹿大工学部理工系総合研究棟

 鹿児島大学内の実験室でウイルス濃縮作業をする研究員と隅田泰生特任教授(右)=2017年、鹿大工学部理工系総合研究棟

マトヤ技研工業が開発した鶏小肉(セセリ)の自動処理機=2019年、曽於市末吉

 マトヤ技研工業が開発した鶏小肉(セセリ)の自動処理機=2019年、曽於市末吉

 政府は第9回ものづくり日本大賞を発表した。鹿児島県からは、鹿児島大学発ベンチャー企業、スディックスバイオテック(鹿児島市)の隅田泰生特任教授ら6人が優秀賞に、自動省力機器開発・製造などを手がけるマトヤ技研工業(曽於市)の益留福一代表取締役会長ら2人が九州経済産業局長賞にそれぞれ選出された。発表は10日付。
 隅田氏らは「糖鎖」という砂糖の鎖とナノ技術を用い、新型コロナとインフルエンザのウイルスを唾液で同時に検出できるPCR検査キットを開発したことが評価された。隅田氏は「長年の研究成果を認めてもらい、ありがたい。どんどん使ってもらえればと思う」と話した。
 益留氏らは、鶏のぼんじりの自動脱骨・カット機械を生み出し、生産効率向上を可能にした。2009年には豚の肋骨のはく離・除骨を機械化し、優秀賞を受賞。同社の畜産関係の機械は国内外で使用されている。益留氏は「今後もオンリーワンの商品づくりを目指したい」と話した。

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