「鹿児島はクラフトビール造りにうってつけ」専門店の店長が太鼓判 女性や若者の間で人気上昇中のわけ

ひふみよブリューイングで作られたクラフトビール=鹿児島市新屋敷町

 ひふみよブリューイングで作られたクラフトビール=鹿児島市新屋敷町

 鹿児島県内の小規模な醸造所で製造されるクラフトビールの人気が、じわりと高まってきた。新型コロナウイルス禍でも、新たな醸造所や専門の販売店が登場。地元の産品を使ったオリジナル性や種類の豊富さが、女性や若者にも好まれている。
 クラフトビール専門の酒販店「ひふみよブリューイング」は5月、鹿児島市新屋敷町にオープンした。店内には150リットルのタンクを5基設置した醸造所があり、造った商品を販売。試飲もできる。
 これまで県産の茶葉やオリーブの葉、びわの実などを使った9種類を製造。季節限定商品は定期的に入れ替える。白澤繁樹店長(46)は「農産物が豊富な鹿児島はクラフトビール造りにうってつけ」と話す。
 鹿児島中央駅近くに7月開業した「かごっまふるさと屋台村」内の「クラフトBAR 維新館」では、県内3カ所の販売店から仕入れた11種類を提供する。「味や色が多彩でパッケージも楽しめる。写真映えするので、若者や女性を中心に人気」と野村嶺斗店長(24)。焼酎が苦手な人も、地元産のアルコールを味わえるのが魅力という。
 同市東千石町でクラフトビールを専門に販売する「クラフトビアストア ストックヤード」は2020年2月の開店。直後にコロナ禍に見舞われたが、家飲み需要を取り込んで好調だ。若松達彦社長(42)は「普通のビールより高めで、家でもちょっとしたぜいたくを味わえる」と人気の理由を分析する。
 同じビルで経営するビアバーでも取り扱う。コロナ禍前は約5割を占めた外国人客や県外客が、少しずつ戻ってきた。「円安で海外のものが高くなり、県内の醸造所や製品が増えるのでは」と、今後の広がりを予想している。

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