- 特派員No. 995
Sandy Juhaszさん
ヨーロッパの美術館と言えば、パリにあるルーブル美術館を真っ先に思い浮かべられる方が多いかと思われますが、ヨーロッパではあちらこちらに美術館があり、だれでも気軽にアートに触れることができます。日本と同じく母国ハンガリーも課外授業で学校の生徒たちが美術館に訪れることがあり、幼い頃からクリエイティブな世界に親しむ子供が多いようです。
調べてみると鹿児島県内には鹿児島市立美術館や長島美術館をはじめ16件の美術館があります。今回、行ってみたのはその中の一つ、松下美術館です。
福山町に日本と世界の名画が多数
松下美術館は鹿児島県霧島市福山町(きりしまし・ふくやまちょう)という町に日本や世界の名画を多数展示している落ち着いた所です。アクセスは東九州自動車道国分ICから車で20分で、福山病院に隣接する少し入り組んだ所にあります。美術館は一つの大きな建物ではなく、展示品のテーマごとに6つの建物に別れています。それぞれの展示館の間を移動するプロセスも探検をしているようで楽しいです。常時500点以上の美術品が見ることができます。
美術館の誕生
まず美術館の入口周辺に大きなブロンズ像が出迎えてくれます。それは昭和58年に美術館を創業した松下兼知(まつした・かねとも)の胸像です。彼は精神科の先生で学生のころ長崎で被爆したそうです。当時としては珍しく、ヨーロッパに渡航し、現地の風景や文化に触れました。旅先でのスケッチ等の作品もたくさん残しています。人のこころに響くアートの力を信じ、ヨーロッパですぐ身近に存在する美術体験を鹿児島に持ち帰って美術館を開設しました。美術館のパンフレットによると松下氏の心には「ヨーロッパでは子供たちの身近に本物の作品がある。そしてそれらの絵を見て育った子供たちの中からまた有名な画家が生まれる。福山にも本物の絵を飾り子供たちが文化に触れる場所を作りたい、人々の心を潤し地域貢献したい」という気持ちがあったようです。そうして作られた美術館はこじんまりした個人収集の美術館になり、地域のみなさんのこころを豊かにしています。そういう気持ちもあり、福山町の小中学生は無料で見学できるそうです。
主な構成
それぞれの展示館の内容を簡単にご紹介します。
1号館
ここには、ピカソやモネをはじめとする国内外の有名の作家の作品とアンティークの家具等が展示されています。鹿児島ゆかりの作家の絵画も鑑賞できます。
2号館
日本の有名な作家の絵画等と薩摩切子が置かれています。
3号館
中近東資料館ではギリシャやエジプト地域の出土品等あります。
4号館
掛軸や屛風絵、薩摩焼など
5号館
民俗資料館ではたくさんのお面がお出迎えしてくれます。
6号館
松下兼知氏の作品を展示。この場所は貸しギャラリーとしても使われているそう。入口にある「野良猫が入らないようにしっかりドアを閉めてください」という旨の注意書きに思わず微笑んでしまいました。
最後に
訪れた当日はあいにく雨模様でしたが、天気の良い時は海の眺めも楽しめるとのことなので、ぜひとも今度は晴れた日に伺いたいと思いました。館内での撮影は基本的に禁止とされていますが、許可を頂いて撮影しました。
“The purpose of art is washing the dust of daily life off our souls.”
Pablo Picasso
「芸術の目的は、我々の魂から日常生活のほこりを洗い流すことだ。」
パブロ・ピカソ
基本情報
名称
松下美術館
住所
鹿児島県霧島市福山町福山771
電話番号
0995-55-3350
ウェブサイト
http://www2.synapse.ne.jp/matsushita/
営業時間
10:00~17:00 (最終入館は、16:30まで)
休日
休館日 : 月曜日 (ただし、月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日が休館となる)、1月1日、12月31日
駐車場
有り (無料)
利用料金
入館料 (個人) : 一般=500円、大・高生=300円、中・小生=200円
※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。変更される場合がありますので、お出かけの際は公式サイト等で最新情報の確認をしてください
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