きみも~おいでよ♪「きこりたちの店」25日に閉店 地域活性化に一役、23年の歴史に幕 鹿屋

惜しまれつつ閉店する「きこりたちの店」に立つ山下幸一さん(左)と美枝子さん夫妻=鹿屋市下堀町

 惜しまれつつ閉店する「きこりたちの店」に立つ山下幸一さん(左)と美枝子さん夫妻=鹿屋市下堀町

 手作りの木工製品などを販売する鹿児島県鹿屋市下堀町の「きこりたちの店」が25日、23年の歴史に幕を閉じる。ベテラン従業員が介護などの事情で相次いで離職するため。店長の山下美枝子さん(74)は「全従業員は長年、家族のような気持ちで働いてきた。楽しい思い出のまま、みんなで一緒に区切りをつけようと話し合った」と明かす。
 創業は2000年。林業関係者が多い大姶良地区の活性化を目指す取り組みとして、美枝子さんの夫、幸一さん(75)が仕掛けた。幸一さんが起こした農産物関連会社「南九」を運営母体とし、本社横の倉庫を店舗として提供。美枝子さんを含めた従業員5人を中心に切り盛りしてきた。
 店には地区内外の約50人が作った木工家具や彫刻作品、手芸作品などが並べられる。両親の代から17年間出品してきた深川木工芸の東裕輝代表(39)=曽於市末吉町深川=は「量産品にはないぬくもりある作品を、多くの人に触れてもらえる唯一無二の場所だった」と惜しんだ。
 「知名度は『南九』よりも『きこり』の方が高い実感がある。従業員や出品者、来店者など全ての人に恵まれて感謝が尽きない」と山下夫妻。「閉店後の計画はまだ描いていないが、再び人が集まれる場所にすることだけは決めている。地元がにぎやかになる活用策を考えたい」と語った。
 現在は閉店セール中で、営業時間は午前9時~午後5時。水曜定休。

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