わずか30秒の停車駅、地元高校生が窓越しおもてなし 豪華寝台列車「ななつ星」乗客に大島紬の手作りコースター贈る

乗客に贈る手作りコースターを車掌に託す蒲生高生=姶良市の帖佐駅

 乗客に贈る手作りコースターを車掌に託す蒲生高生=姶良市の帖佐駅

「ななつ星」の乗客に贈った、大島紬と端切れを利用したコースター

 「ななつ星」の乗客に贈った、大島紬と端切れを利用したコースター

 30秒に心を込めて-。鹿児島県姶良市の蒲生高校家庭クラブの生徒5人が、JR帖佐駅(同市)を通過する豪華寝台列車「ななつ星in九州」の乗客に記念品を贈った。列車行き違いのために停車する、わずか30秒間のおもてなし。生徒は歓迎の横断幕を手にホームで出迎え、「鹿児島を感じてほしい」と大島紬の手作りコースターを、窓越しに車掌に託した。
 ななつ星は改装のための運休を経て、昨年10月に再開したばかり。新コースで帖佐駅に“停車”すると知り、おもてなしを計画。持続可能な開発目標(SDGs)につながる取り組みも知ってもらおうと、大島紬と被服学習ででた端切れを使いコースターを製作した。
 クラブ会長の2年小園陽音さん(17)は「わずかな時間でも、鹿児島の魅力を感じてほしいと思いを込めた。次は姶良にも立ち寄ってほしい」と話す。
 帖佐を通過するのは、3泊4日霧島コースの2日目。熊本発で鹿児島中央経由で隼人駅(霧島市)まで運行する。生徒は「いつどこを見られてもいいように」と、駅周辺やホームの花壇を事前に清掃した。
 JR九州でななつ星を担当するトレインマネージャー篠原崇さん(41)は「地域のおもてなしが乗客に喜ばれておりありがたい。一瞬の感動が記憶に残り、九州の人は心が温かいという声が多い」と話した。

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