一度は泊まりたい、秘湯の温泉宿 九州編

アクセスは少しかかるけれど、お湯良し、宿良し、景色良し。そんな三拍子揃った秘湯で、心と体の洗濯はいかがですか。今回は“人にはあまり知られていないけれど、ぜひ訪れてほしい名湯”のある一度は泊まってみたい宿を、九州エリアから厳選してご紹介します。

1.静かな山間で、豊富な湯量を誇る源泉掛け流しの湯に浸る

山あいの宿 喜安屋(大分県/筋湯温泉)

大分県・九重町、標高1,000メートルの高地にある筋湯温泉から少し離れた場所にある「山あいの宿 喜安屋」は全10室のみ、大人の小宿です。敷地内に点在する客室は、温かな風合いの土壁と黒塗りの板塀が古民家を彷彿とさせる造り。

全室離れの客室には、それぞれに趣向を凝らした露天風呂を備えます。注がれるのは、滑らかな肌触りが特徴のナトリウム-塩化物泉。各お部屋の暖房にも使われる程の豊富な湯量を誇ります。好きな時に好きなだけ、源泉掛け流しの湯を堪能しましょう。

客室露天風呂のほか、敷地内には野趣あふれる岩風呂と内風呂、貸切露天風呂、2種の家族湯があるので、湯めぐりをするのもおすすめ。自然に囲まれながら、温泉三昧のひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

山あいの宿 喜安屋

大分県/筋湯温泉

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2.効能豊かなミルキーブルーの湯に癒される老舗旅館

別府明礬温泉 岡本屋旅館(大分県/別府明礬温泉)

明治8年創業の「別府明礬温泉 岡本屋旅館」は、大分県・別府明礬の地に佇む老舗旅館。宿の自慢でもある、淡い青みを帯びた白濁色が特徴の明礬硫黄泉は、別府八湯でもとりわけ効能が高いとされており、湯治目的で訪れる人が後を絶ちません。

そんな名湯は広々とした庭園露天風呂や大浴場はもちろん、一部客室でも楽しむことが可能。なかでも縁側から別府湾を望む「【特別室】源泉かけ流し温泉付 和室8畳+6畳」では、内風呂で源泉掛け流しの湯に浸かることができます。

美味しい食事も旅の醍醐味の1つ。別府の美食をいただける夕食では、温泉の蒸気で一気に蒸し上げる名物「地獄蒸し」や、関あじ・関さばなどが振舞われます。豊かな自然と気候がもたらす海の幸と山の幸を存分に味わいましょう。

別府明礬温泉 岡本屋旅館

大分県/別府明礬温泉

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3.わざわざ訪れたい!絶景・名湯・美食が揃った温泉宿

壱岐リトリート 海里村上 by 温故知新(長崎県/長崎・壱岐)

博多港から、ジェットフォイル船に揺られて約1時間。“神の島”とも言われる壱岐島にある「壱岐リトリート 海里村上 by 温故知新」は、夕陽百選にも選ばれた湯本湾を望む絶好のロケーションに佇む宿です。

12室5タイプの客室は、全てがオーシャンビュー。全室に備わる露天風呂は、敷地内から自噴する天然温泉が注がれます。温泉とみなす基準値の約17倍を誇る超高濃度の湯は、空気に触れると金色に変化するのが特徴。開放感に包まれながら、ゆったりと浸かりましょう。

体が存分に解れた後は、玄界灘の荒波と内海湾の穏やかな波が育む海の幸を存分に使用した、美食を召し上がれ。なかでもアワビに雲丹をたっぷり乗せて、炭火でじっくり焼き上げた名物「海里焼き」(5月~8月頃)は、必食の一品です。

壱岐リトリート 海里村上 by 温故知新

壱岐リトリート 海里村上 by 温故知新

長崎県/長崎・壱岐

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4.200年を超える歴史を誇る地獄温泉を守り続ける一軒宿

地獄温泉 青風荘.(熊本県/阿蘇郡)

すずめの湯

「地獄温泉 青風荘.」は、阿蘇五岳烏帽子岳の中腹で、文化元年に開湯した地獄温泉を守り続ける一軒宿。足元湧出の奇跡の湯「すずめの湯」、高温で湧く「たまご地獄」「元地獄」など、複数の源泉を楽しむことができます。

たまごの湯

コンクリートを多用した近代的な造りが特徴的な「たまごの湯」は、熊本地震で唯一生き残った「仇討の湯」に併設して作られた湯船。阿蘇カルデラ内でも一番高い場所に位置するため、山々を一望!絶景と共に湯浴みを楽しんでみては。

客室は明治中期に建てられた「本館」、古民家を移築し地震以前は食事処として利用していた「曲水舎」、自分だけの空間で過ごせる「離れ」の、趣の異なる建物に4タイプ。離れ客室では、地獄温泉が注がれる半露天風呂を備えており、名湯を独り占めする贅沢が叶います。

地獄温泉 青風荘.

熊本県/阿蘇郡

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5.自然に囲まれた多種多様な13の湯船で湯めぐりを楽しむ

黒川温泉 いこい旅館(熊本県/黒川温泉)

滝の湯

熊本県・黒川温泉、自然豊かな地に囲まれた「黒川温泉 いこい旅館」は、宿にいながらにして13の湯船で湯めぐりができる、温泉好きにはたまらない宿です。なかでも「滝の湯」は「日本名湯秘湯百選の湯」にも選ばれた情緒あふれる混浴露天風呂で、ぜひ足を運んでみたいもの。

そのほかにも「立ち湯」や「箱湯」、岩風呂・寝湯・うたせ湯がある「蘇の湯」など、バリエーションも豊富。囲炉裏のある「足湯」に浸かったり、温泉たまごをいただいたりできるのも、この宿ならではです。

お待ちかねの夕食は、素朴な雰囲気が漂う2種類の食事処でいただきます。地元の旬食材を使い、工夫を凝らした季節替わりの和会席料理は、素材の旨味がぎゅっと詰まった一皿ばかり。地産の食材に合う美酒、銘柄との掛け合わせに酔いしれてみてはいかがでしょうか。

黒川温泉 いこい旅館

熊本県/黒川温泉

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6.幕末の志士たちに愛された日当山温泉を満喫する宿

数寄の宿 野鶴亭(鹿児島県/霧島)

800年もの歴史を誇り、西郷隆盛や坂本龍馬らにも愛されたと言われる日当山温泉。「数寄の宿 野鶴亭」はその源泉を持つ老舗の温泉宿です。弱アルカリ炭酸水素塩温泉は、肌に優しい泉質。

館内には高い天井が開放的な内風呂や岩風呂の露天風呂のほか、貸切露天風呂、庭園にある足湯やリラックススペースなど、癒されるスポットがたくさん。長年愛され続ける名湯を存分に堪能しましょう。

客室は「高雅棟」と呼ばれる5つの別邸と、本館の2タイプに全14室。別邸客室は、数寄屋造りの和室に専用の露天風呂を備えます。湯船に注がれるのはもちろん日当山温泉の源泉掛け流し。一枚岩をくり抜いたものや壺風呂など、客室の雰囲気に合わせて異なるので、お好みで選んでみては。

数寄の宿 野鶴亭

鹿児島県/霧島

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わざわざ出かけても損は無い、名湯&秘湯の宿を九州エリアからピックアップしてご紹介しました。ぜひ季節を変えて、何度でも通ってみてはいかがでしょう。

この記事を書いた人

Minaho Ito一休コンシェルジュ編集部

一休.comの元営業。温泉ソムリエ。全国200もの旅館やリゾートホテルを担当した後、宿それぞれが持つこだわりやストーリーをもっとお客様に届けたいという想いから、一休コンシェルジュの編集へ。食べることが大好きで、旅先では名産品や名物料理を食べることが一番の楽しみ。1児の母になり、最近は子供連れでも”心に贅沢”できる宿をストック中。

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