全国旅行支援から1か月 効果実感の一方で「第8波」不安も 鹿児島県

image

image

image

新型コロナの影響で落ち込んだ観光を盛り上げようと国が「全国旅行支援」を始めて、11日で1か月となりました。鹿児島県内でもその効果で旅行客は増えているものの、新型コロナの「第8波」への不安の声も聞かれます。
指宿市の宿泊施設「指宿白水館」です。11日もチェックインの時間に合わせて次々と宿泊客が訪れていました。
(指宿白水館 永峯雅浩支配人)「(全国旅行支援で)一気に入りました。日本各地からお越しいただいている。9割ぐらいで(予約が)埋まっている」
旅行代金が1人1泊あたり8000円を上限に40%割り引かれる「全国旅行支援」。買い物や飲食に使えるクーポンも含めると、最大で1万1千円支援されます。
先月11日に始まって以降、「指宿白水館」では連日ほぼ満室状態となっていますが、チェックイン時に渡すクーポンはホテル側が発券するため、ロビーが混雑することもあるということで、クーポンの発券専用の受付を設けるなどの対策をしています。
(永峯支配人)「(手続き等)ちょっと手間がかかりますが、今までお客さんが入らなかったのですごくうれしい。過去3年苦しかったが、どんどん良くなっているのではないかと思う」
一方、奄美大島の観光は、夏ごろから回復傾向が続いていましたが、先月はさらに好調に。奄美空港の10月の乗降客数は、7万7441人で、年間の乗降客数が過去最多となった2019年の10月を3千人近く上回りました。
「全国旅行支援」に加えて、県が独自に県内の離島への旅行支援をしていることも影響していると見られます。
(奄美大島観光協会 越間得晴会長)「(旅行支援が)始まってから観光のお客様も増えていますし、弊社の売り上げも増えていますので、かなり消費喚起策として効果が出ている」
鹿児島市の旅行代理店でも、先月11日にスタートする前から電話が絶えなかったといいます。
(鹿児島ツーリスト 岩元敏子さん)「かなりの量でした。日常の仕事ができなかった」
この旅行代理店では、個人旅行の数が先月はコロナ前の8割まで回復。「全国旅行支援」の効果を実感しているといいます。
(岩元さん)「3年で見ると、80%ぐらい(戻った)。コロナの時は『忙しい』という言葉は全くなかった。(旅行支援は)あった方がいい」
全国旅行支援は12月20日までで、年末年始は除外される見込みですが、その年末年始の予約も去年と比べてかなり多いといいます。
(岩元さん)「正月の宿は取れない。片っ端からホテルにあたっているが、今まで出かけなかった分、全国支援が受けられなくても行きたいという客が増えている」
一方で、全国的に感染者がじわりと増えていて、「第8波」に対する懸念もあるといいます。
(岩元さん)「もしも第8波が出て(感染)防止しなければならなくなった時には、『支援事業は中止』というのを謳っているので、これが広がってくると『この日で終わり』という日が来なくもない」
感染を抑制し、観光を回復の軌道に乗せることはできるのか?これから年末年始にかけて正念場を迎えることになりそうです。

コメント