桜の季節に夜空に咲いた大輪の花 思いを乗せたサプライズ花火 鹿児島・出水市

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花火といえば夏のイメージですが、鹿児島県出水市では、桜の便りが届き始めた25日、少し変わった花火大会が行われました。春は出会いと別れの季節。それぞれの想いを乗せて打ち上げられた花火です。
3月25日の出水市高尾野町。続々とお客さんが集まってきました。
桜が咲くこの季節、少し変わった花火大会が行われました。
「退職した後もたまには工場へ遊びに来てください」
「じゅんた君、小学校卒業おめでとう」
花火が打ち上げられる前、こんなメッセージが読み上げられるのです。
いずみメッセージ花火。
この花火大会では、大切な人に伝えたいメッセージとともに花火が打ち上げられました。地元の有志が中心となり、2022年に引き続き2回目の開催です。
実行委員長・桐野貴広さん
「3月は出会いと別れの時期。思いを伝えること、人と人とのつながりの大切さを
感じてもらえるのではと企画した」
花火は1発3000円からで、金額に応じた大きさや玉数の花火を打ち上げることができ、2023年は33の個人や団体が打ち上げ花火にメッセージを込めました。
長男の小学校入学に合わせて花火を打ち上げることにした男性も。
「入学おめでとう。これから楽しいことや頑張らないといけないこと、たくさんあると思うけど一緒に頑張ろうね」
そんなメッセージに続いて花火が打ち上げられました。
取材班が男の子に「どうだった?」と聞くとすかさず「うれしかった!」という答えが。
父親の男性は「花火のように、まっすぐ大きく花開いてほしいと思います」と、花火に込めた思いを語りました。
定年を迎えた上司へサプライズを企画した人もいました。出水市職員の山崎千穂さんです。
いつも明るくみんなを引っ張ってくれたという室長の退職。「ただ、ただ感謝の気持ちで」企画したそうです。
退職するのは、子育て支援室の本村頼子室長。本人には、みんなで花火を見に行こうとだけ伝えているそうです。
果たしてサプライズは成功するのか?
「本村室長、ご定年おめでとうございます。いつも笑顔で一生懸命な姿に勇気づけられました。ご指導いただいたことを忘れません。感謝の気持ちを込めて」
自分のために打ち上げられる花火に思わず目頭を押さえた本村室長。
「もう驚きです。感動でいっぱいです。すてきなな思い出を作っていただいた皆さんと出会えたことがとても良かった」と感激した様子でした。
「喜んでもらえて良かったです。これからも今のままの室長でいてくれれば」
山崎さんの言葉に続き、スタッフ一同の拍手。本村室長は深々と頭を下げました。
桜の季節に夜空に咲いた大輪の花。新たな人生のスタートに、背中を押してくれるメッセージ花火です。

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