甘酒ほんのり香る、地元だけの味 鹿児島の「加治木まんじゅう」

鹿児島の「加治木まんじゅう」=堂免堂提供

鹿児島の「加治木まんじゅう」=堂免堂提供

 年末年始に47都道府県の自慢の「グルメ」を紹介します。古里や旅行先の味をチェックしてみませんか。

 もっちりした肌のような皮は甘酒がほんのり香り、小豆あんとの相性が抜群。鹿児島県姶良市加治木町の人々が朝から店に並ぶのが「加治木まんじゅう」。1607(慶長12)年、第17代島津家当主・島津義弘にお茶うけとして供されたのが原点とも伝わる。明治期には「一銭五厘で三つ」という安さで親しまれたという。

 現在は加治木饅頭(まんじゅう)製造組合に7店が加盟。定番の白のほかヨモギ、紫芋、ニンジン、黒糖など色とりどりに、それぞれの味を競っている。できたてが最高だから、地元以外にほとんど出回らない、まさに“秘密のグルメ”。

 1972年創業の「堂免堂」は2019年に店を継いだ宝蔵(ほうぞう)正昭さんが毎朝6時ごろからあんをたき始める。3種の酒だねを入れた生地を20~30分発酵させ、あんを包んで12分間蒸すと完成。宝蔵さんは「気温によって生地に混ぜる水の量や温度を調節し、常にふわふわ感を維持している。伝統の味を残したい」。

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