諏訪之瀬島に「九州一」の滝? 落差250メートルか 細い糸のように海へ 名前は「白水」 鹿児島・十島村が調査へ

2022/03/08 11:08

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富立岳から細い糸のように流れ落ちる「白水の滝」=2009年11月、十島村諏訪之瀬島(産総研地質調査総合センター提供)

 十島村は2022年度、諏訪之瀬島北部にある「白水の滝」について調査する。関係者によると、見える範囲だけでも落差が250メートルあるとみられ、九州で最も大きい可能性がある。7日あった村議会定例会の施政方針で肥後正司村長が「滝を調査し、価値の確認などを進める」と明らかにした。村は22年度一般会計当初予算案に調査費49万5000円を盛り込み、9日にも議会に提案する見込み。
 白水の滝は島北部の富立(とんだち)岳(標高536メートル)から東側の太平洋に、細い糸のように注ぐ。島民や漁師の間では以前から知られていたが、源泉の場所など詳細は不明だった。村は文化財認定を念頭に置いており、村教育委員会が調査に取り組む。
 滝は産業技術総合研究所(産総研)の地質調査総合センター=茨城県つくば市=が発行した火山地質図にも明記されている。基になった諏訪之瀬島の地質調査は08〜10年に実施しており、滝の名前は地元住民に聞いて載せたという。
 産総研によると、島は降水量が多く、島の古い地層が水を通しにくいため、水がたまりやすい。海に浸食された崖を湧き水が流れ、滝になっているとみられる。当時調査に出向いた産総研の下司信夫・大規模噴火研究グループ長は「落差が大きく珍しい滝。見える範囲だけでも250メートルはあるのでは」と話している。
 鹿児島県内では21年9月、奄美市が名瀬小湊の沿岸部で落差181メートルの滝を確認。市は「九州最大の可能性がある」としている。
 南日本新聞や十島村に昨年、「諏訪之瀬島にある滝は、九州最大の落差があるのではないか」などとの情報が寄せられていた。

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