赤字続く「吹上砂丘荘」、来年3月末で閉館へ 運営する日置市が方針発表 「ゆーぷる」は存続

日置市が2025年3月末で閉館する方針を決めた国民宿舎吹上砂丘荘=1月27日、同市吹上町今田

 日置市が2025年3月末で閉館する方針を決めた国民宿舎吹上砂丘荘=1月27日、同市吹上町今田

吹上砂丘荘の近くにある健康交流館ゆーぷる吹上=1月27日、日置市吹上町中原

 吹上砂丘荘の近くにある健康交流館ゆーぷる吹上=1月27日、日置市吹上町中原

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 鹿児島県日置市は1日、市営の国民宿舎吹上砂丘荘(同市吹上)を2025年3月末で閉館する方針を発表した。利用者減で赤字が続く中、慢性的な従業員不足と、老朽化対策など改修費に約4億円かかるとして維持を断念した。今月始まる市議会定例会に閉館の条例案を提案する。
 近くにあり、同じく赤字の市営「健康交流館ゆーぷる吹上」は存続させる。宿泊は従来通り合宿など団体の利用を想定し、温泉やプール、食堂は継続する。
 砂丘荘は1970年12月に開設。宿泊施設や食堂、宿泊者専用の温泉を備える。赤字に新型コロナウイルスの影響が追い打ちをかけ、2022年度は一般会計からゆーぷると合わせ計約9000万円を投入した。
 市は鹿児島国体などに対応するため、23年4月から両施設の業務管理を一元化し経営改善を図った。しかし離職者が相次ぎ、11月からは砂丘荘のランチの平日営業を中止。宴会の受け入れも縮小している。
 両施設の従業員には今年1月23日に砂丘荘の閉館方針を説明した。地域住民には2月1日夜、吹上中央公民館で説明会を開き、永山由高市長らが質問に答えた。

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