超高級魚クエが桜島で釣れている-。SNSで見つけた情報。一番頑丈な竿とリールでやってみた。本当に釣れた

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桜島で釣り上げたクエ=9月1日

えさをつけて投げ入れ、しばらくして回収。それを繰り返して、クエの当たりを待つ

えさをつけて投げ入れ、しばらくして回収。それを繰り返して、クエの当たりを待つ

ついに釣り上げたクエ=9月1日、桜島

ついに釣り上げたクエ=9月1日、桜島

〈あゆLOVEフィッシング―上園あゆみ〉
「大型の魚を釣ってみたい!」という思いは、釣りをする人にとって必ずしも共通の夢ではない。ただ、魚を食べるのが好きな釣り人にとって、「おいしい魚を釣ってみたい」というのは共通の夢だろう。ちなみに私は大きくておいしい魚を釣ることに目がない。
「クエ」という魚がいる。九州地方では「アラ」とも呼ばれ、50キロほどまでに成長するものもあるという。上質で味わい深い超高級魚として知られる。鹿児島でも大型のクエを狙って重装備で磯へ出掛ける釣り人も少なくない。最近、交流サイト(SNS)で、桜島の磯で3~5キロのアラが釣れているという情報を見つけた。発信元は鹿児島港発着の瀬渡し船。やったこともない釣りだが、取りあえず自分の持っている一番頑丈なさおとリール、仕掛けも適当に作って行ってみた。
えさは冷凍のアジ。クエは夜行性で日差しの強い日中は岩の影で身を潜めているといわれているため勝負は夜。さおの先には当たりを音で知らせる鈴と、光で確認するための発光体を付けた。アジを付けて投げ入れ、30分ほど当たりがなければ回収。何度繰り返しただろうか。その瞬間は突然訪れた。
鈴の音が静かな海に鳴り響いた。さお先は恐らく海面に突き刺さっている。無我夢中でさおを起こして、リールを巻く。じわりじわりと近づいては、魚の引きに戻される。ようやく魚が水面にぬっと顔を出し、タモですくい上げると、トラのような模様が入った大きな魚だった。5キロ近くあろうか。実は湾内にはクエを改良した、タマクエという似た個体も多く確認されている。さてこれは…。船長によるとクエとのことだ。
持ち帰ってさばくと、きれいな白身。まずは刺し身にした。「なんだこれは!」。信じられないおいしさだった。しゃぶしゃぶにもしてみた。今まで食べた魚と比べてもトップレベルの甘みとうまみ。衝撃のおいしさだった。脂が乗るこれからのシーズンは、食べるにも釣るにももってこいの季節だ。まさに「味をしめた」というのだろうか。早くも次のアラ釣りを計画中。

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