鹿児島国体で注目 「日本一のビーチバレー競技場」 20年前整備、県外の選手にも好評な訳がいっぱい 大崎

松林に囲まれた自然豊かなコートが広がるビーチスポーツ専用競技場=大崎町

 松林に囲まれた自然豊かなコートが広がるビーチスポーツ専用競技場=大崎町

少年女子1回戦、安定した試合運びをみせる鹿児島の末吉紀咲(右)・折尾萌ペア=大崎町ビーチスポーツ専用競技場

 少年女子1回戦、安定した試合運びをみせる鹿児島の末吉紀咲(右)・折尾萌ペア=大崎町ビーチスポーツ専用競技場

 16~19日に鹿児島国体のビーチバレーボール会場となった大崎町ビーチスポーツ専用競技場(同町横瀬)は、約20年前に観光振興を目的に整備された。選手や競技関係者からは「砂がふかふか」「環境がいい」と好評で、町は今後も大会誘致を推進していく。
 「砂が軟らかく、レシーブのときに飛び込みやすかった」。少年女子で3回戦まで進んだ鹿児島県代表の折尾萌主将(18)=指宿商高3年=は振り返る。
 競技場は松林によって海岸線と隔てられているため、海水による浸食や強風の影響を受けにくい。国体に訪れた各県の関係者も「会場全体に水まきできる設備はすごくいい。日本一の競技場」と話した。
 町社会教育課によると、砂浜を生かした観光振興を探っていた約20年前、国立スポーツ科学センター(東京)の関係者が訪れ、砂浜の質や立地環境を評価したのがきっかけ。競技場整備の提案を受け、重機で整地して町職員ら約20人が手作業で軽石を拾って造った。
 トイレや更衣室があり、約10年前に県の補助事業でシャワー室と倉庫を設置。コート整備は利用者が行うため、維持費はほとんどかからないという。
 課題もある。国体の監督会議では「シャワー設備をもっと整えた方がいい」との指摘があった。また、砂鉄が多く含まれ、砂浜の表面温度が高くなりやすい。秋田県代表の選手が試合前、あまりの熱さに足をバタつかせる場面もあった。
 専用競技場では毎年、4月の九州ビーチバレーボールリーグの大会を皮切りに、夏場には中高生の全国大会予選を開催。町などでつくる実行委員会は、ビーチスポーツフェスタを開く。来年度は全国ビーチサッカー県予選も予定されている。
 町は県ビーチバレーボール連盟に対し、引き続き全国規模の大会開催を要望。町社会教育課は「国体で高い評価を受けた。さらなる活用を探りたい」としている。

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