4万円台で買った“山”が利回り200%以上に。最高の不労所得を手に入れる方法

 税金滞納者の私有財産から消防車や救急車まで、普段はお目にかかれない商品が出品される官公庁オークションに注目が集まる。このサービス活用したお得な買い物方法や儲かるすべはないものか。取材班は徹底調査した。

4万円台の山が利回り200%以上を叩き出すカラクリ

官公庁オークション 官公庁オークションには税金滞納者などが手放した「山」も4万~10万円程度で出品されている。そこに目をつけている不動産投資家の永野彰一氏はこう語る。 「山は“カネの成る木”。不動産投資に自信がない初心者でも安く始められます。全国どこでも選択肢が多い官公庁オークションを利用するのもアリです。相場が読みにくい山の価格を見極めるため、私もサイトを日々チェックしています」

官公庁オークションで“最高の不労所得”

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永野氏が購入した山に立つ送電塔。敷地料名目で、年間10万円以上の「不労所得」が手に入る

 では安く手に入れた山でどれだけの儲けを得られるのだろうか。 「電力会社が山を間借りし、電柱や送電塔を設置すると敷地料が受け取れます。例えば私が4万4000円で買った福島の山ひとつで、送電塔から年間10万円程度の収入があり、さらに電柱の敷地料も1本あたり200~1500円が入る。  固定資産税や維持管理費もなく、手間がかかっていないのに、これだけ毎年入ってくるのは魅力」  “最高の不労所得”とも言える山投資を始めるのにも、官公庁オークションが一役買いそうだ。

働く車、故障車…売り方次第で稼げる中古車が狙い目

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“働く車”のポンプ車やバンなどは、リセール目的でも手離れが早く、おすすめ(※写真はイメージです)

 今年1月開催の官公庁オークションで多くの中古車が出品されたが、そこにお宝は隠れていたのか。中古車査定士のすこぶるえなじー氏はぶっちゃける。 「オークションは水ものだからこそ、掘り出し物と出合うと血がたぎります。例えば、黒色のトヨタ・ランドクルーザー(型式:KC-HZJ77V)。’98年3月登録で走行距離は約5万㎞と、国内で売る場合、僕が目安とする8万㎞を下回っている。  落札額は321万円ですが、マニア受け抜群で販売価格は右肩上がり。綺麗に原状回復して少し寝かせればメルカリなどで400万円は堅いです」

新興国で需要が高い“働く車”にも注目

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また、“働く車”も再販価値は高い。 「’99年以前に売り出された機械式のバキューム車やトラック。電子制御されておらず現場で修理可能なので、アフリカなど、インフラ整備に邁進する新興国で需要が高い。100万円近くで売れるので50万円なら買い。ただ、キャンピングカーに改造しやすい救急車は割高。転売より趣味向けです」  ポンコツだからと、素人が手を出さない“故障車”も狙い目。 「修理が無理でも裁断して部品として販売できます。バッテリーが故障したトヨタのエスティマハイブリッドが約9万円で落札されましたが、20万円近くの儲けは出る。故障車がこんなに安いのには、僕も驚きでした」  プロでさえ見逃す“お金を生む”中古車は数多く眠っている。

業者の介入でハイブランドの落札額は高め

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自治体が全商品を鑑定しているわけではない。「PRADAと表示のあるサンダル」など、曖昧な表記は危険(写真は国税庁の『公売情報』より)

 これまで何度も官公庁オークションに入札経験のあるブランド鑑定士のKAKITANI氏に、ハイブランド品の落札について聞くと、渋い顔を覗かせた。 「業者が価格を吊り上げている影響か、落札額が高くなり転売で利益を出すのは厳しい。それでも、楽天などのECサイトと比べると、10%ほどは安いので、自分用に買うにはお得です」

「真贋保証」のない商品には手を出さないように

 ただし、限定モデルや生産数の少ないブランド品なら、将来性を期待して投資するのはあり。 「パテック・フィリップなどの高級時計は年々価格が高騰。エルメスやシャネルのヴィンテージものなども同様です。ただ時計の裏ネジの深さやロゴのフォントが違うなど、写真のみで本物か偽物かを見分けるのはプロでも難しい。『真贋保証』の有無をチェックし、保証のない商品には手を出さないでください」  ババを引いて泣き寝入りせぬよう、疑ってかかるのが正解だ。

生活必需品を右から左に流すだけで副収入に

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「製造中止になったアダプターはより高値で売れる」

「官公庁オークションに出品されている生活必需品に目をつけている人はほとんどいないし、落札した商品を右から左に流すだけでリスクもほぼゼロ。まさに入れ食いの寡占状態です」  そう力説するのは、副業YouTuberのあべむつき氏だ。 「特に、コロナ禍での規制が緩和されるにつれ、レジャーとコロナ太り解消に繋がる筋トレ道具の需要はますます活発になると考えています。スーツケースやゴルフバッグとクラブ一式、そして鉄アレイなどの筋トレグッズは迷わず買い。  鉄アレイは、スクラップ工場で1㎏40~45円で買い取ってくれます。200円で購入したトータル50㎏分になる鉄アレイが、なんと10倍の2000円に化けました」

素通りしがちなケーブル類は見過ごせない

 専門家並みの目利きが求められる空き家や、在庫リスクの高い大型家電は敬遠するのが無難だという。対して、誰もが素通りするケーブル類は見過ごせない。 「ACアダプターは8個セットで100円なんてこともあります。メルカリなどでは1個あたり300〜600円で売られているので、最低でも20倍の2000円以上にはなる。あと、公共の施設で使っていた玩具や楽器は、メンテナンスが行き届いていて状態が良いので、値崩れが起きにくい」  地道な稼ぎ方にはなるが、ブルーオーシャンである生活必需品近辺を狙うのも有効だ。
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【不動産投資家・永野彰一氏】
’90年、東京都生まれ。全国各地の山を買う不動産投資家。著書の『一生お金に困らない山投資の始め方」は5刷でロングセラーに
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【中古車査定士・すこぶるえなじー氏】
UCMインターナショナル代表。自動車販売業を営む傍ら、自動車業界のリアルや中古車の魅力をYouTube動画で配信している
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【ブランド鑑定士・KAKITANI氏】
鑑定歴15年のベテラン。バッグや時計など、ブランド全般を取り扱う買い取り専門店に在籍中。得意なジャンルは時計、バッグ、宝石
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【副業YouTuber・あべむつき氏】
インターネットで簡単に稼ぐ方法を発信するソーシャルメディアインフルエンサー。ゴキブリの養殖事業やシェアハウスも3軒営む 取材・文/週刊SPA!編集部

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