従業員が足りず宿泊断ることも…本土最南端の町所有「ホテル佐多岬」休館 東京の指定管理者、契約満了前に撤退

4月から休館しているホテル佐多岬=南大隅町佐多馬籠

 4月から休館しているホテル佐多岬=南大隅町佐多馬籠

 鹿児島県南大隅町佐多馬籠の宿泊施設「佐多岬ふれあいセンター」(ホテル佐多岬)が4月から休館している。人手不足により指定管理者が3月末で撤退したためで、運営を委託していた町は「ホテルは築30年近くで老朽化も進んでいる。今後、町が維持管理しながら、管理運営の方針を決めたい」としている。
 ホテルは、2017年から東京都港区の「アイエス・フィールド」が指定管理者となっていた。25年度までの契約期間だったが、過疎、高齢化に伴い地元で雇用する従業員の確保が難しくなった。同社は「人手不足で受け入れ体制が整わず、宿泊を断ることもあった。足を運んでくれた人には心から感謝している」と説明する。従業員は7人で、希望者には再就職先をあっせんした。
 施設は鉄筋コンクリート造りで1997年12月開館。4階建てで客室は和室が12、洋室のシングル7、ツイン4。レストランや宴会場、展望浴場を備える。駐車場は約80台。町によると、2018年度の宿泊者数は2854人だったが近年は1000人台に減少し、22年度は1855人だった。
 町は維持管理費として、23年度一般会計当初予算に488万円を計上。企画観光課の愛甲真一課長(56)は「新型コロナウイルス下でも頑張ってもらっていたが、厳しいということだった。今後、どういう方向性がいいのか見定めていきたい」と語った。

コメント