JR九州、区間別最大赤字は日豊線の6億5900万円 収支公表

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JR九州本社=福岡市博多区で

 JR九州は25日、利用者が少ないローカル線の2021年度の区間(線区)ごとの収支を公表した。収支が公表された13路線の18区間全てが赤字で、最大は日豊線の佐伯(大分県)―延岡(宮崎県)の6億5900万円。新型コロナウイルス禍で激減した乗客が回復に転じたことや経費節減により、大半の区間で収支は20年度よりやや改善した。

 輸送密度(1日1キロ当たりの平均旅客輸送人員)が2000人未満の区間を対象に、18年度分から公表している。隣の区間が豪雨災害で被災して乗客が減ったことなどから久大線の由布院(大分県)―大分(同)が公表対象となり、赤字額は2番目に大きい5億3800万円だった。指宿枕崎線・指宿(鹿児島県)―枕崎(同)の4億9400万円、日豊線・都城(宮崎県)―国分(鹿児島県)の4億1500万円が続く。

 JR九州は、全区間の21年度の輸送密度も公表。最も少ないのは豊肥線・宮地(熊本県)―豊後竹田(大分県)の129人。1000人未満は13区間だった。国土交通省の有識者検討会は7月、利用の少ない区間について国主導で自治体や鉄道会社と協議会を設置し、鉄道の存続について3年をめどに議論をするとの提言をまとめており、対象区間として、輸送密度1000人未満など複数の条件を挙げている。

 JR九州は、災害などで被災して21年度中に運休があった区間については収支、輸送密度ともに公表を見送っており、肥薩線・八代(熊本県)―吉松(鹿児島県)や日南線・田吉(宮崎県)―志布志(鹿児島県)などが非公表だった。【久野洋】

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