「もったいない」を「おいしい」に…規格外のイモで「農福連携」 鹿児島・鹿屋

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小さいがゆえに規格外となり、今まで出荷されなかったジャガイモを救うため、鹿児島県鹿屋市で地域ぐるみの取り組みがスタートしました。
鹿児島県鹿屋市にある「農業生産法人オキス」では、8ヘクタールの畑で、約250トンのジャガイモを生産し、ポテトチップスの原料として大手メーカーに出荷しています。
その一方で、機械の上ではじかれる小イモ。
小さすぎて出荷できないイモが機械の上で仕分けられていきます。
農業生産法人オキス・岡本孝志社長
「ものすごくいいものだから取って出せばいいのになと思いながらも、雨との戦いがあって、梅雨のこの時期、晴れ間にちゃんとしたものを取り終わらないといけない忙しさからそのままになっているというのが、どこの農場にもある。『もったいないな、どうにかならないかな』と毎年見ていた」
小イモは、全体の1割に上り、その量は、1シーズンで約2.5トン。小石と分けたり、洗う手間などがかかったりするので、これまでは廃棄されてきました。
そこで、2022年から助っ人を呼ぶことに! 小イモをかごに仕分けているのは鹿屋市の就労支援施設に通う、障害のある人たちです。
作業する人「ジャガイモを拾うとこかな、やりがいは。生活、生きるために頑張ろうかなという気持ち」
人手が足りない畑で、小イモを拾ったり、箱詰めや袋詰めを担当してもらい、これまで捨てられてきた小イモを商品として出荷します。
農業生産法人から施設にオファーし実現した「小いもプロジェクト」。農業の人手不足を福祉の力で解決するいわゆる「農福連携」の取り組みです。食品ロス解消にもつながり、作業を担う側も依頼する側も手応えを感じています。
就労継続支援の支援員 草場正司さん
「頼りにされるのがみんなも喜ぶところで、そこをみんなで共有できるので大変うれしい。難しい仕事から簡単な仕事まで色んな種類の仕事がありますので、色んな方にお願いしやすいというのがメリットだと思います」
農業生産法人オキス・岡本孝志社長
「今回やってみて分かったのは、お金にならなかったものがお金になる。それが働いた人たちに還元される。自分で稼いでいくのが可能になったのでよかった」
また、小イモを流通させる仕組みも整いつつあります。プロジェクトに賛同した大隅の飲食店が、小イモを大量に買い取り、さまざまなメニューを店ごとに提供しています。
ファーマーズマン・加根元亘店長
「小イモ自体は初めて使ったのですが意外に切りやすかったり、お客さまに食べていただきやすかったりするので使い勝手がいいと思います」
現在、大隅の10店舗が小イモを取り入れたメニューを提供していて、今もその輪が広がっています。
「もったいない」を「おいしい」に変える挑戦は続きます。

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