「一番好きな学校。ずっといたいくらい」閉校する小学校最後の日々 146年で幕さつま町・永野小

image
image
image
image
image
image
image
image
image
image
image
image
image
image
image
image

この春、鹿児島県内では、児童数の減少にともなって薩摩川内市、曽於市、南さつま市、さつま町、十島村の5つの市町村で、中学校あわせて10校・小学校17校が閉校します。
この中で、さつま町では求名、永野、中津川の3つの小学校が閉校し、中津川小学校に新たに「薩摩小学校」が誕生します。
このうち、開校から146年、地域に愛されながらも幕を閉じることになった「永野小学校」の最後の日々を取材しました。
さつま町東部の山あいにある、永野小学校です。創立は明治10年=1877年で、146年を迎えたこの春、閉校することになりました。ピーク時の昭和25年には児童数は700人を超えましたが、その後、減少が続き、今年度は13人だけです。
(田邑八重子校長)「地域の方々のさびしさは大きいものかなと感じた。減ることはさびしいことだが、子どもたちにとって適正な学びができる場所を作っていかないといけない」
近づく閉校。学校での日常がひとつずつ、終わりを迎えます。子どもたちが毎日、楽しみしている“あの時間”も。
「永野小学校で食べる最後の給食です。最後と聞くと少しさびしさも感じますが、こどもたち、みんな美味しそうに食べています」
最後の給食は、子どもたちに人気の奄美の鶏飯、サケのカツとゼリー、牛乳でした。
(6年生)「このメンバーで食べられるというのが最後。すごく思い出に残ったのでうれしい」
昼休みの風景も、この日が最後に。
(2年生)「(Q.昼休みの時間はどうですか?)楽しい。(Q.永野小でみんなで昼休み遊べなくなっちゃうけど)やだ」
(緒方一行教頭)「13人全員で遊ぶ感じ。いつも。それが小規模校の良さ」
1、2年生の担任・甫立玲菜教諭。着任した学校の閉校は2回目の経験です。前回はおととし、同じくさつま町の流水小学校でした。
(甫立玲菜教諭)「2つ目かぁと思って。授業もそうだし、休み時間とか昼休みも、ひとつでも子どもたちが永野小での思い出が作れたら」
人口およそ700人の永野地区。65歳以上の高齢者の割合は54%と高く、小学校は地域の人が集う拠点でもありました。
(甫立玲菜教諭)「本当に地域の人が温かくて。地域に愛されている学校というのをすごく感じた」
(5年生)「(Q.地域の人たちはどんな人が多い?)優しい人たちが多い」
(5年生)「Q.永野小に通えなくなるのは?)一番好きな学校だからずっといたいくらい。ここで卒業したかった」
今月22日、永野小学校、最後の卒業式。6年生4人を、保護者と住民が一緒に送り出しました。
(卒業生4人)「今ここに、卒業証書を手にしました」
(在校生・5年生2人)「多くの先輩が、そしてみなさんが残した良き伝統を、新しい薩摩小学校につないでいきます」
(卒業生)「少しさびしいけど、卒業できてうれしかった」
(卒業生)「(Q.中学生での目標は?)まずは友達を作るところから」
永野小学校を卒業した地域の人も…。
(70代)「それはもう残念。(統合で)友達はたくさんできる」「これでもう終わりだもんねぇ…」
開校から146年。地域と歩んできた長い歴史が幕を閉じようとしています。

[03/26 19:47]

コメント