みかんと食べ合わせが悪いもの!相性のよい食材や栄養を解説

みかん

投稿者:ライター 鈴政恵子(すずまさけいこ)
監修者:管理栄養士 児玉智絢(こだまちひろ)

スーパーでもよく売られ、手軽に手に入る「みかん」。冬になるとつい食べ過ぎてしまう人もいるだろう。何個でも食べられるみかんだが、一緒に食べる食材によっては身体にあまりよくない影響を与えることをご存知だろうか。今回は、みかんと食べ合わせが悪い食材とよい食材を中心にご紹介する。

1. みかんと食べ合わせが悪い食材

焼き芋

まずは、みかんとの食べ合わせに気を付けたい食材から解説していこう。

甘い果物

みかんと甘い果物を食べ合わせるのはよくないといわれている。その理由は、みかんの特徴「酸味」にある。

実はみかんの酸味には甘い果物の消化酵素の働きを妨げる作用があるとされる。そのため甘い果物と食べ合わせると消化がしにくくなり、身体に負担を及ぼす可能性があるのだ。よって、柿やいちじく、メロンなど甘い果物と一緒に食べるのは、できるだけ避けた方がよいだろう。

2. みかんと食べ合わせがよい食材

牛乳

実はみかんと食べ合わせがよいといわれているのは牛乳やヨーグルトなどの乳製品だ。ここでは、その理由について解説する。

おすすめの食材

みかんには水溶性の食物繊維のペクチン(※1)が豊富に含まれている。ペクチンは体内に入ると腸内の水分を調整し、排便を促す働きをするのだ。またペクチンは善玉菌のエサになることで善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きまでもある。

とくに、みかんの食べ合わせにピッタリなのはヨーグルトだ。ヨーグルトは乳酸菌を生きたまま腸内に届けられるため、ペクチンの善玉菌を増やす作用と合わさると、腸内環境を整える効果をさらに期待できるといわれている。

また「みかんと牛乳を食べ合わせるのはよくない」と聞いたことがある人もいるかもしれない。それは、牛乳と酸味の強い果汁がまざると固まる性質があることから、消化に悪いと考えられていたためだ。しかしいまでは、牛乳は胃酸の影響により体内で一度は固まるため、みかんと食べ合わせても身体に悪影響はないと考えられている。実際に、学校の給食でもみかんと牛乳は一緒に出てくることもあるほどで、食べ合わせは悪くないので、一緒に食べるのは問題ない。

3. みかんの機能性成分

みかんの断面

みかんと食べ合わせるのにピッタリな食材はおわかりいただけただろうか。最後にみかんの機能成分について紹介しよう。

β-クリプトキサンチン

みかんは食物繊維のほか、「β-クリプトキサンチン」という成分が多く含まれている。

β-クリプトキサンチンとは、みかんの色の素になる成分のこと。疫学研究(※2)では、みかんをよく食べ血中のβ-クリプトキサンチンが高い人は、以下症状のリスクが低くなる効果が得られることがわかった。

  • 骨粗しょう症
  • 2型糖尿病
  • 肝機能障害
  • 脂質異常症
  • 動脈硬化の発症
  • みかんは多くの病気のリスクを軽減できる非常に魅力的な果物だ。よくお酒を飲む人は、みかんを食べ合わせのよいヨーグルトとともに積極的に摂取すると肝機能障害の予防にもなるためおすすめである。また、β-クリプトキサンチンの値が高い人ほど骨粗しょう症リスクが低くなるという研究結果も出ている。そのため、朝食にみかんと食べ合わせのよい牛乳をみかんと一緒に摂取するなど、みかんを食べることを習慣化するとよいだろう。

    結論

    普段何気なく食べているみかんも、食べ合わせのよい食材と摂取すると、腸内環境を整えてくれることがおわかりいただけただろうか。またみかんは、病気へのリスクを軽減させる作用も働く非常に優秀な食材であることも意外な事実で驚いた人もいるかもしれない。ぜひ今回の記事を参考に、みかんを積極的に摂取していただければ幸いだ。

    (参考文献)

  • ※1出典:文部科学省
  • 「果実類/(かんきつ類)/うんしゅうみかん/じょうのう/普通/生 – 01.一般成分表-無機質-ビタミン類」
    https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=7_07027_7
  • ※2出典:農林水産省
  • 「果物の健康機能性に関する論文一覧」
    https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/engei/attach/pdf/iyfv-34.pdf
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