インフルエンザ、九州で季節外れの流行 夏風邪も

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定点あたりインフルエンザ患者数

 九州で「季節外れ」のインフルエンザの流行が続いている。国立感染症研究所感染研)が20日に発表したまとめでは、定点あたりの患者数は宮崎が6・5と、全国で最も多かった。ヘルパンギーナなどの「夏風邪」も増えている。

 感染研のまとめでは、5~11日の定点あたりの患者数が全国平均で1・4の中、宮崎県が全国最多の6・5、鹿児島県が2番目に多い5・1、長崎県が3番目に多い4・7だった。大分県が2・7(全国で6番目)、熊本県が2・5(同7番目)だ。

 宮崎では5月中から小中高校で集団感染が見られ、学級閉鎖や休校も起きている。熊本もこの時期としては過去10年間で最も多い状況で、学級閉鎖が相次いでいる。

 昨年同時期は全国で「0」。九州でも患者の報告がなかった。コロナ前の2019年も全国で0・4となっており、この時期としては多めに推移している。宮崎県感染症対策課によると、ここ3年ほどはコロナ対策もあって感染が抑えられていたが、そのために抗体が減っていることが関係している可能性があるという。

 代表的な「夏風邪」ヘルパンギーナも、同期間の定点あたり患者数で宮崎が全国最多の10・7。大分6・1(全国で4番目)、鹿児島6(同5番目)も高めだ。乳幼児の感染が多く、発熱やのどの痛みのほか、口の中に水ぶくれができることがある。感染性胃腸炎も大分、熊本で定点あたり10・9と、全国1、2番目の高さになっている。こちらも乳幼児~小学生の感染が多い。

 宮崎県感染症対策課の担当者は「感染対策には手洗いうがいが効果的。手指消毒の徹底もお願いしたい。インフルエンザに関しては、着用できるのであればマスクを」と呼びかける。(杉浦奈実)

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