固定電話の通話料金、2024年1月から全国・全時間帯一律へ NTT東西

2022.12.18 (最終更新:2022.12.18)

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NTT東西が発表した、2024年1月1日からの固定電話の通話料(税込)と終了するサービスの例

 NTT東日本とNTT西日本は2024年1月1日から固定電話のIP網へ段階的に移行し、距離や時間帯に応じて料金体系が異なっていた通話料金が、全国・全時間帯一律となります。固定電話から固定電話へは3分で9.35円です。また、多くの通話料金割引サービスが終了します。企業で多く使われてきたINSネットの「ディジタル通信モード」も段階的に終了しますが、切り替えが間に合わない企業に向けて補完策を提供する予定です。

目次

  • 固定電話のIP網への移行、いつから?
  • 基本料金、従来と同額
  • 通話料、全国・全時間帯一律へ
  • IP網への移行後に提供を終了するサービス
  • INSネット(ディジタル通信モード)は2027年ごろまで補完策
  • IP網への移行後も提供を継続するサービス
  • 通話料割引サービスは終了
  • ワリマックス
  • ワリマックス・プラス
  • ワリビッグ
  • プロフィッツ(東日本のみ)
  • プロセレクト(東日本のみ)
  • プロスペクト(東日本のみ)
  • ワリエース(西日本のみ)
  • プレミレート(西日本のみ)
  • 県内異名義割引
  • iスクール
  • 固定電話のIP網への移行、いつから?

    NTT東日本の公式サイトによると、固定電話発の通話は、2024年1月1日から、地域ごとにIP網へ移行を始めます。

     後述のマイラインは、IP網への移行に合わせて地域ごとに段階的に終了した後に、新しい通話サービスに移行します。INSネット(ディジタル通信モード)は、地域ごとに段階的に終了した後、「切り替え後のINSネット上のデータ通信サービス(補完策)」に移行します。

     こうした変更はあくまでNTT側の設備の変更であり、以下のように利用者側の設備を変更する必要はないため、悪質なセールスに注意するよう呼びかけています。

  • 利用者の電話機の交換や回線の切り替え手続き・工事は不要
  • 利用中の電話番号は変わらず、電話機もそのまま利用可能
  • 基本料金、従来と同額

     基本料(回線使⽤料)は、従来と同額です。

    通話料、全国・全時間帯一律へ

     通話料は、IP網への移行後は全国・全時間帯一律が基本となります。まずは、固定電話発の通話料(税込)です。

    従来
    IP網への移⾏後

    固定電話着
    昼間・夜間:9.35円/3分〜11円/45秒、深夜・早朝:9.35円/4分〜11円/90秒<距離段階・時間帯別・県間通話未提供>
    9.35円/3分<全国⼀律・全時間帯>

    携帯電話着
    17.6円/分
    現状と同額

    050IP電話着
    11.55〜11.88円/3分<事業者別>
    11.55円/3分

     続いて公衆電話発の通話料(税込)です。

    従来
    IP網への移⾏後

    固定電話着
    昼間・夜間:56秒/10円〜8秒/10円、深夜・早朝:76秒/10円〜13.5秒/10円<距離段階・時間帯別>
    56秒/10円<全国⼀律・全時間帯>

    携帯電話着
    15.5秒/10円
    現状と同額

    050IP電話着
    17.0〜18.0秒/10円
    18.0秒/10円

     最後に着信課金電話サービス「フリーアクセス」発の通話料(税込)です。

    従来
    IP網への移⾏後

    固定電話着(県内)
    昼間・夜間:9.35円/3分〜11円/45秒、深夜・早朝:9.35円/4分〜11円/90秒<距離段階・時間帯別>
    9.35円/3分

    携帯電話着
    昼間・夜間:62秒/11円〜9秒/11円、深夜・早朝:82秒/11円〜15秒/11円<距離段階・時間帯別>
    62秒/11円<全国⼀律・全時間帯>

    050IP電話着
    15秒/11円〜16.5秒/11円<時間帯別>
    15秒/11円<全国⼀律・全時間帯>

    IP網への移行後に提供を終了するサービス

     電話会社選択サービス「マイライン」・電話会社固定サービス「マイラインプラス」を、IP網への切り替えに合わせて地域ごとに段階的に終了します。

     このほか、減少が今後見込まれる、またはIP網で提供が難しいとされる以下のサービスも終了します。

  • INSネット(ディジタル通信モード)
  • ビル電話
  • 着信用電話
  • 支店代行電話
  • 有線放送電話接続電話
  • 短縮ダイヤル
  • キャッチホン・ディスプレイ
  • ナンバー・アナウンス
  • でんわばん
  • トーキー案内
  • 発着信専用機能
  • ノーリンギング通信
  • 二重番号サービス
  • トリオホン
  • なりわけサービス
  • 114(お話中調べ)
  • 空いたらお知らせ159
  • ナンバーお知らせ136
  • INSネット(ディジタル通信モード)は2027年ごろまで補完策

    NTT東日本の公式サイトによると、INSネットの「ディジタル通信モード」とは、INSネットサービスの主にデータ伝送に特化した通信モードのことで、専用端末によるセンターとエンド間通信のことを指します。

     次のようなサービスで使われている可能性があります。利用の有無を確認するには、NTT東日本・NTT西日本の請求書(料金内訳)に「INS通信料」の記載があるかを確認してみてください。

    区分
    利用用途

    POS(販売情報管理システム)
    企業の本部・店舗間のPOS端末通信

    CCT/CAT(信用照会端末)
    クレジットカード会社・店舗間のCAT端末通信

    警備
    利用者宅などから警備会社への監視映像通信

    ラジオ放送
    屋内外からの番組中継、他のラジオ局への番組素材配信、本社・送信所間の音声通信

    企業の電子バンキング
    銀行・企業間の振込・口座照会

    EDI(電子商取引)
    メーカー・卸・小売間での商品受発注データ通信

    ビル管理(エレベーター監視)
    ビルなどの入口・エレベーターの監視映像送信・通報

    G4FAX
    主にコンビニのマルチコピー複合機によるG4FAX

    銀行ATM
    銀行のセンター拠点・店舗ATM間のデータ通信のバックアップ

    企業内WAN(事業者の拠点間ネットワーク)
    企業内ネットワーク(WAN)でのデータ通信のバックアップ

    レセプトオンライン請求
    オンラインによる診療報酬等の請求データ(レセプトデータ)通信

     INSネット(ディジタル通信モード)の提供終了までに別サービスへの移行が間に合わない利用者向けに「切り替え後のINSネット上のデータ通信」(補完策)を2027年ごろまでをめどに提供する予定です。

    IP網への移行後も提供を継続するサービス

     一方で、以下のサービスは継続予定です。

  • 公衆電話
  • 110(警察)118(海上保安)119(消防)
  • 117(時報)
  • 177(天気予報)
  • 104(番号案内)
  • 115(電報)
  • ナンバー・ディスプレイ
  • ナンバー・リクエスト
  • 迷惑電話おことわりサービス
  • キャッチホン
  • ボイスワープ
  • ボイスワープセレクト
  • フリーアクセス
  • #ダイヤル
  • 代表取扱いサービス
  • ダイヤルイン
  • 硬貨収納等信号送出機能(ピンク電話)
  • 通話料割引サービスは終了

     現状の通話料割引サービスの受け付けは終了し、2024年1月1日から割引の適用もなくなります。終了する個人向けサービスは次の通りです。

  • イチリッツ
  • スーパーケンタくん
  • ケンタくん
  • ケンタくん5
  • タイムプラス・INSタイムプラス
  • エリアプラス・INSエリアプラス
  • テレホーダイ・INSテレホーダイ
  • i・アイプラン
  •  終了する法人向けサービスは次の通りです。

    ワリマックス

     一定額の支払いを約束し、複数の事業所で利用した県内通話料金の合計額に応じて、県内通話料を割引

    ワリマックス・プラス

     一定額の支払いを約束し、複数の事業所で利用した県内通話料金の合計が一定額以上(1万1000円以上)となった場合、県内通話料を割引(マイラインプラスの登録が必要)

    ワリビッグ

     同一事業所内で利用した県内通話料金の合計額に応じて、県内通話料を割引

    プロフィッツ(東日本のみ)

     INSネット1500利用者を対象として年間の市内(同一区域内)通話料と県内通話料について、一定額の支払いを約束する場合、県内通話料を割引

    プロセレクト(東日本のみ)

     年間の通話料について、一定額の支払いを約束する場合、事業者単位で県内通話料を割引

    プロスペクト(東日本のみ)

     年間の県内市外通話料と県内通話料について、一定額の支払いを約束する場合、ユーザ単位で県内通話料を割引

    ワリエース(西日本のみ)

     定額料の支払で、INSネット1500を利用者を対象に、月間県内通話料33万円以上利用する場合、県内通話料を割引

    プレミレート(西日本のみ)

     あらかじめ利用者が指定した同一名義の回線グループにおいて年間の通話料について、一定額の支払いを約束する場合、県内通話料を割引

    県内異名義割引

     電気通信事業者名義の回線を割引選択代表回線(ホスト回線)とし、ホスト回線と異なる名義の回線と共に回線グループを構成した場合に、その回線グループの県内通話料の合計額に応じてその通話料金を割引

    iスクール

     学校に限定したサービスで、定額料の支払により、あらかじめ利用者が選択された同一区域内の1つの電話番号への通話・通信が一定額分まで利用できる割引

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