なぜ?4月になってもツル数百羽とどまる理由は意外なところに 鹿児島県・出水平野

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4月も中旬となり、世界的なツル越冬地として知られる鹿児島県の出水平野では、冬を過ごした1万羽以上のツルがシベリアなどに向かい、数十羽程しか残っていない…というのが例年の光景です。ところが2023年は、まだ数百羽のツルがとどまっています。
18日午前、出水平野を取材すると、数十羽のツルが、水田でえさを探す様子が確認できました。
出水平野では、毎年1月中旬以降、冬を過ごした1万羽を超えるツルが、シベリアなどの繁殖地に向かう北帰行が始まり、終盤となるこの時期は残っているのは50羽程です。
しかし、鹿児島県ツル保護会によりますと、先週末時点で200羽から300羽が確認されていて、その多くがナベヅルの幼鳥とみています。
県ツル保護会では、北帰行が遅れている原因について、鳥インフルエンザで親鳥を失った幼鳥が、親鳥に促されて飛び立つタイミングを逃すなどしているからではないかとみています。
鹿児島県ツル保護会・堀昌伸事務局長
「例年以上にツルが残っているということで、暑くなる前に元気よく北帰行してもらいたいと思っています。11月以降、元気な姿で帰ってきてもらえればと思っています」
出水平野では、2022年11月から2023年3月末までの間に死んだり、弱ったりして回収されたツルの数が1475羽となっています。
県ツル保護会では、ツルの北帰行の遅れは、けがや衰弱が原因ではないため、気温が上がってくれば寒さを好むツルは北帰行を始めるとみていて、温かく見守ってほしいとしています。

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