土産品はバラ売りがトレンド 売れ行きにも大きな変化 鹿児島

毎日新聞 2022/5/25

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「かご市」店内で目立つバラ売りの土産品=鹿児島市東千石町で2022年5月21日午後4時8分、梅山崇撮影

 土産物の菓子は箱売りよりもバラ売りが人気――。鹿児島県商工会連合会内の「かごしま特産品研究所」がこんな調査結果をまとめた。新型コロナウイルスの感染拡大で、土産物の売れ行きにも大きな変化が見られているという。その理由とは。

 同研究所は県内の土産物などについて、トレンドや購入動機の調査研究に当たる。商工会が鹿児島市の繁華街・天文館で運営する「かごしま特産品市場・かご市」の2020年度菓子販売実績を調べたところ、感染拡大前の19年度と比べ、箱売りは46%減ったのに対し、バラ売りは9%増加していることが分かった。

 「かご市」支配人も務める山崎道夫研究所長(68)によると、箱売りの減少は、県内の観光客の落ち込みに連動していると分析。バラ売りも同様の影響は受けるが、地元住民が新たな客層として買い支え、数字を押し上げたとみている。

 山崎所長は「コロナ禍で会えない遠くの親戚や知り合いに贈り物を配送する機会が増え、それにバラ売りの土産物を混ぜ込む形が増えている」と指摘。感染拡大で外出機会が減り、なじみの味を自分のために買って食べ切るスタイルも目立ち始めたという。

 一方、土産物の20年度の売上額は、19年度比で39%減となり、コロナ前の水準には戻っていない。山崎所長は「茶や清涼飲料も『飲みきり』が増えた。今後も顧客ニーズを見極めたい」とし、商工会の加盟企業にこうした消費者の動向に沿った商品展開を勧めている。【梅山崇】

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