引退60年 鹿児島唯一の私鉄・南薩鉄道のSL「12号」お色直し

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お色直しされるSL=鹿児島県南さつま市の加世田運動公園で2023年9月21日午後2時56分、梅山崇撮影

 鹿児島県南さつま市の加世田運動公園に置かれている蒸気機関車(SL)の経年劣化が激しくなり、市教委や民間団体「南薩線伝承組織委員会」のメンバーが19~21日、車体を洗い、色を塗り直した。同公園では10月12~16日に鹿児島国体のサッカー競技が開催予定。ピカピカの姿で選手を出迎える。

 機体は1944年に製造された「12号機関車」。県内唯一の私鉄で枕崎市と現在の日置市などを結んだ旧南薩鉄道を走っていた。63年に引退。84年の廃線までは旧加世田駅構内に置かれ、85年に公園に移された。サビや塗装のはがれが目立ち始めたため、手入れすることに。19日は高圧洗浄し、20日は下地塗装。21日は6、7人で仕上げの塗装をした。有木道則委員長(75)は「人前に出しても恥ずかしくない姿。うれしい」と喜んだ。

 南薩線伝承組織委員会と市教委は、廃線から40年になる2024年7月に「南薩線企画展2024」を企画。これに展示する車両や沿線の写真、思い出話、関連資料などを10月31日まで募っている。詳細は市教委生涯学習課文化係(0993・76・1810)。【梅山崇】

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