新型ロケット「H3」、打ち上げ失敗 第2段エンジンに着火せず

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打ち上げられたH3ロケット初号機=2023年3月7日午前10時37分、鹿児島県の種子島宇宙センター、吉本美奈子撮影

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打ち上げられたH3ロケット初号機=2023年3月7日午前10時37分、鹿児島県の種子島宇宙センター、吉本美奈子撮影

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JAXAの中継では「現在状況を確認しております」という表示が続いた

 新型ロケット「H3」の初号機が7日午前10時37分ごろ、鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げられたが、第2段エンジンの着火が確認できず、安全な飛行ができないと判断し、約15分後、機体を破壊させる信号を送信した。打ち上げは失敗した。

 載せていた地球観測衛星「だいち3号」を予定の軌道に投入できなかった。何らかの異常が発生したとみられ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が詳細を調べている。

 H3は、現在の基幹ロケット「H2A」の後継機として、JAXAと三菱重工業が共同開発した。2月17日、発射直前に主エンジンに電源供給する系統で電圧がゼロになる異常が検知され、打ち上げは中止。必要な対策を取り、改めて打ち上げに臨んでいた。

 だいち3号は、2011年に運用終了した初代「だいち」の後継機の衛星。地上の物体を見分ける能力を初代の約3倍に向上させ、災害時の状況把握に活用する予定だった。(玉木祥子)

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