神話になる絶景…「霧島」のフォトジェニックな風景を巡る自由旅

image

なる絶景…「霧島」のフォトジェニックな風景を巡る自由旅

神話の里であり、今も活発な活動を続ける火山群のエネルギーに満ちあふれる霧島は何度訪れてもすぐにまた再訪したくなる場所です。

真っ青な空に緑の山々が雄大な絵を描くその風景は、360度どこをどう切り取ってもフォトジェニック。温泉、古社、アートをはじめトピックも満載なので、各々が好みに応じた楽しみ方を見つけることができます。

そんな霧島を楽しむのなら、どこまでもフォトジェニックにこだわったコースはいかがでしょうか?

とっておきのレトロな秘境駅で時間旅行


「嘉例川駅」の外観 image by:小林繭

鹿児島空港に到着したらまず向かってほしいのがJR肥薩線の「嘉例川駅」です。

空港から車でわずか8分ほどの距離にあるこの駅は、国の登録有形文化財指定を受ける駅舎が秀逸、築120年の木造駅舎のレトロな美しさは、ひっそりと山中に佇む秘境駅感も加わって、古いもの好きにとってはたまりません。しばしのタイムスリップを味わいに旅のスタートに訪ねてほしい場所です。


レトロな世界観がたまりません! どこをどう切り取っても絵になるプラットホーム image by:小林繭

プラットホームから眺める緑に囲まれた線路の風景も素敵で、映画の世界に迷い込んだような気分になります。

1時間に1本(時間帯によっては数時間に1本)の電車が来るとき以外はひっそりと静かな佇まいで、ここは現実ではないどこかへ続く入口かも?と楽しい空想時間が過ごせます。美人の看板猫ちゃんがいるので、猫ちゃんに案内役を頼んでみて。

  • 嘉例川駅
  • 鹿児島県霧島市隼人町嘉例川2174
  • 0995-45-5111(霧島市観光PR課)
  • 定休日:なし
  • 霧島市ホームページ
  • 馬の目線で見る霧島がすごい!


    「霧島アート牧場」image by:小林繭

    霧島山麓でマストスポットとしておすすめしたいのが栗野岳の中腹にある「霧島アート牧場」です。標高700mに位置するこの牧場は360度を自然に囲まれ、圧倒的な開放感がとにかく最高!

    どこまでも高く広がる青い空と、連なる山々の稜線と、その向こうに広がる海の青とが造り出すドラマティックなパノラマビューが自慢です。

    元競走馬たちの背中に揺られ、いつもと異なる視線で霧島の風景を眺めてみて! image by:小林繭

    おすすめの理由はこのとびきりのビューに加えて「霧島アート牧場」が単なる牧場ではないこと。ここは競走馬を引退した馬たちが自由にその余生を過ごすことを目的に造られた牧場で、そのため敷地内には放牧されている馬たちの姿をあちこちに目にします。

    霧島の大自然を背景に、のんびりと草を食み、風に吹かれながら過ごす彼らの姿を眺めながら同じ時間と空間を共有できる場所なんです。馬好きならこれだけでも十分に訪れる価値ありですが、さらなるおすすめがこの牧場でのホーストレッキング。


    人懐こい瞳に吸い込まれてしまいそう。間近で過ごす馬との時間は最高の癒しでもあります image by:小林繭

    牧場での乗馬体験というと、よくあるのがただ単に柵の中を馬に乗って歩くような遊園地のメリーゴーランドの延長のような乗馬ですが、ここでは初心者でもちゃんと馬と触れ合いながらホースライディングを楽しめます。

    柵の中から飛び出して草原や山を歩く体験ができるし、ある程度の経験者であれば馬と一緒に草原を駆け巡るコースも(レベルに合わせたコースが用意されているのでご安心ください)!

    キャンプ場やログハウスも併設されているので、馬たちともっと一緒に過ごしたい人は観光の拠点として利用するのもあり。しなやかに自然の中を走る馬たちの姿に、一瞬で身体もココロもリチャージされます。

  • 霧島アート牧場
  • 鹿児島県姶良郡湧水町木場6340-70
  • 乗馬 0995-74-1333/宿泊 0995-54-1020
  • 栗野駅
  • 定休日:なし
  • ホームページ
  • “自然×アート”を楽しむ、ワンランク上の旅時間

    「霧島アート牧場」のすぐ隣にある「霧島アートの森」もぜひ立ち寄ってほしいスポット。

    両側を緑に囲まれた県道を走っていると、突如現れる原色の大きなモニュメント「草間彌生作/シャングリラの華」が目印。この入口の迫力ある草間作品に始まり、敷地内にはスケールの大きなアート作品が点在します。

    自然の中を散策しながら楽しめる野外展示と定期的に展示作品が入れ替わる室内展示に加え、カフェ、ギャラリーショップなども充実しているのに、入場料はたったの320円!超絶コスパで思いっきりアートな時間が楽しめるなんって嬉しい限りですね。

    コレクションには草間彌生の他イサムノグチ、村上隆をはじめ国内外の現代アーティストたちの名前が並び、常展のほか企画展にも力を入れているので最新情報を要チェックです。

  • 霧島アートの森
  • 鹿児島県姶良郡湧水町木場6340番地220
  • 0995-74-5945
  • 栗野駅
  • 一般 320円/高・大学生 220円/小・中学生 160円/幼児 無料 ※20名以上の団体割引・年間パスポートあり
  • 定休日:毎週月曜(休日の場合は翌日)/年末年始(12月29日~1月2日)/メンテナンス(2月13~19日)
  • 9:00~17:00 (入園16:30まで)/7月20日~8月31日の土・日・祝は19:00まで(入園18:30まで)
  • ホームページ
  • 訪ねるべきロケーションカフェは「スタジヲもみの木」


    古民家を改装した温もりあふれる一軒家カフェ「スタジヲもみの木」。窓の外に広がる庭も素敵 image by:小林繭

    素敵なカフェやレストランとの出会いは旅をグンと盛り上げますよね。霧島でおすすめしたいのが星を5つつけたくなる素敵すぎるカフェ。その名は「スタジヲもみの木」。

    空港から霧島へ向かう途中、牧園の山の中にある古民家カフェで、そのロケーション、佇まい、そしてもちろん美味しいスイーツや食事とすべてが素晴らしいのです。


    カフェへ向かう途中にある美しい川。清流のマイナスイオンをたっぷり吸い込んで  image by:小林繭

    初めて訪れる人はまずそのロケーションに魅了されます。駐車場に車を停めてからお店まではちょっとしたハイキングコースを歩くのですが、これがまた楽しい道のり。水量豊富に清らかな水が流れる川を渡り、緩やかな山道を登っていくとその先に一軒の可愛らしいカフェが現れるんです。


    庭の憩いスペース。春や秋にはここでコーヒーをいただくのも気持ちよさそうです image by:小林繭

    入口の横には子どもたちが駆け回るのにちょうどいいナチュラルガーデンが広がり、山の中にこっそりとこんな隠れ家のような場所があることはちょっとしたサプライズ。


    入口を入ったショーケーススペースには美味しそうなスイーツが並びます。テイクアウトももちろんOK image by:小林繭

    カフェの扉を開けると、カウンターにはずらりと美味しそうな手作りのスイーツやキッシュが並び、まるでお菓子の家に迷い込んでしまった気分です。

    こちらのカフェでいただける食べ物はすべてオーガニック。霧島や九州産の素材にこだわり、オーナー自らが畑で育てた野菜やお米を使ったメニューが提供されています。


    チキンカレーのランチプレート。スパイスたっぷりで美味!  image by:小林繭

    ランチプレートもあり、私が伺った際はチキンカレーでした。芭蕉の葉に盛られたスパイスの効いたチキンカレーはチャツネも添えられた本格的な味。デザートのヨーグルトまでついて大満足です。

    店内はソファやテーブル席がコーナーごとに異なる雰囲気が楽しめるように配されていて、窓の外に広がる眩しいほどの山の緑と庭の風景を眺めながらゆっくりとした時間が過ごせます。

    焼き菓子やキッシュはテイクアウトもできるので、ドライブ途中に立ち寄るお客様の姿も多く見られました。

    また霧島に行ったら立ち寄りたいお店ですが、営業は基本的に週末のみ。イベント等でお休みのこともあるそうなので、訪れる際は確認することをおすすめします。

  • スタジヲもみの木
  • 鹿児島県霧島市牧園町上中津川2089-8
  • 0995-78-8131
  • 営業日:土曜/日曜
  • 11:00〜16:00(ランチ11:30〜)
  • Instagram
  • 霧島最高峰のパワースポットで神話の神様と語らおう

    日本神話にまつわるスポットが点在する霧島において、その最高峰とも言える「霧島神宮」もまた絶対に見逃せないフォトジェニックスポットです。

    「霧島神宮」について簡単に説明すると、創建が6世紀と伝わるこの社は建国神話の主人公である瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)を祀り、元々は高千穂峰と噴火口との中間に位置していました。

    長い歴史の中で霧島山の噴火による消失と再建を繰り返したのち現在の場所に移され、現存の社殿は300年前に再興されたものです。

    あたりは鬱蒼と生い茂る森の静寂に包まれ、参道の入口手前から下界とを隔てる境界線が存在するかのように空気が一変するのがわかります。

    個人的な意見になりますが、この「霧島神宮」がもっとも美しく映える時間帯は早朝だと思っています。というのも朝の光は霧島の森の漆黒と光のコントラストを生み出し、朱色の鳥居や社殿を実に鮮やかに浮かびだすから。

    参拝客や観光者の姿もなく、たゆたうような静けさの中に佇む「霧島神宮」の美しさは格別なので、タイミングが合えばぜひ早朝散歩にお出かけください。


    高千穂「古宮址」image by:小林繭

    神様の宿る霧島を巡りたいなら、その元である高千穂の「古宮址」も訪ねてみてください。

    高千穂山の入口に位置する「古宮址」はある意味「霧島神宮」とは相反するロケーションで、「霧島神宮」が内なるエネルギーがぎゅっと凝縮される場所なら、外界と繋がるエネルギーに満ちた場所。空に向かって開く宇宙的なパワーが漂っているように感じます。

    そしてもちろん体力と時間が許すなら霊峰高千穂を登り、山頂付近にある「元宮」へも。霊峰高千穂をすぐ目の前に見据える初代の社があった場所です。こんなところに聖地を構えるとは、昔の人がどれだけ神様と近い場所を切望していたことがわかります。

    山頂にたどりつけば天孫降臨伝説の「天の逆鉾」とも出会えます。もちろんそこから眺める下界の景色は絶景としか言いようがありません。

    どこまで行ってもフォトジェニックかつダイナミックな神話のルート巡りに1日を費やしてみると、古の霧島の魅力が見えてくるはず。

  • 霧島神宮
  • 鹿児島県霧島市霧島田口2608-5
  • 0995-57-0001
  • 入場料/参拝料:無料
  • 定休日:なし
  • ホームページ
  • 古宮址
  • 鹿児島県霧島市霧島田口
  • 定休日:なし
  • これぞ温泉美!目にも美しい温泉で五感を整える


    「霧島 湯之谷山荘」の外観 image by:小林繭

    鹿児島を代表する温泉地である霧島には数々の名湯が点在しますが、何度訪れても私の中での一番は「霧島 湯之谷山荘」です。

    特に、今回のテーマ“フォトジェニック”という視点ではダントツに抜きん出た存在。言うまでもなく温泉そのものも極上湯であり、文句なしにパーフェクト!生きている限りリピートし続けたい温泉です。

    これぞ山の中の一軒宿という表現がぴったりなこの宿は、周囲を鬱蒼とした緑に覆われる中にポツンと佇みます。癒し水が染みこんだようなその佇まいの美しさに心ときめき、さらに情緒あふれる内湯の佇まいにノックアウト。


    湯船も床も壁も天井もすべてが木製の内湯。窓から差し込む光に包まれた優しい空間  image by:小林繭

    脱衣所で服を脱ぎ内湯に足を踏み入れた瞬間にここが正真正銘の温泉天国であることを知るでしょう。大きさ的には広くもなく、狭くもなく、小さめの木造の浴槽が3つ並ぶ景観はとことんシンプルに美しく、青みを帯びた湯の色の色彩美にうっとり。浴槽の縁からは常に湯が豪快にあふれ床を濡らす様子はいつまでも見飽きることがあリません。

    5つの異なる源泉を持ち、そのうちの4つが硫黄泉、残る1つが硫黄ラムネ泉(炭酸泉)という「霧島 湯之谷山荘」では、4つの硫黄泉を混ぜた混合硫黄泉と、硫黄ラムネ泉の異なる源泉を楽しめますが、浴槽が3つあるのは源泉46度の熱い硫黄泉と30度の硫黄ラムネ泉、そしてその2つが混ざり合うことを意図して。


    3つ並んだ湯船の乳白色の湯のゆらめきが美しい  image by:小林繭

    このそれぞれの源泉を味わいつくすためにデザインされた浴槽の配置が天才的に素晴らしいのです!熱湯とちょうどいい湯、そしてシュワシュワっと肌に気泡がつく冷たい炭酸湯を行ったり来たりできるので飽きることなく、気がつけば無心で湯の心地よさだけに集中している自分がいます。

    ほとんどエンドレスに湯が楽しめるので、ぜひとも宿泊して24時間体制で温泉を満喫してほしいのですが、立ち寄り湯でも利用可能です。

    温泉の真髄をつくこの極上湯がたったの500円というのはなんだか申し訳ない気持ちになりますが、心ゆくまで温泉に浸かれるよう時間に余裕を持って訪ねることをおすすめします。運がよければ看板猫ちゃんが入口で迎えてくれますよ!

    古の美と、大自然が造り出すエネルギーの美しさと、人間の知恵がバランスよくひとつの宇宙となって存在する霧島。

    つまらない観光ガイド情報は捨て、ぜひ自分の五感で旅してみてください。そこにはきっと思いもがけない素晴らしい瞬間や出会いが待っているはずです。

  • 霧島 湯之谷山荘
  • 鹿児島県霧島市牧園町高千穂4970
  • 090-3666-4789
  • チェックイン 15:00/チェックアウト 10:00
  • ホームページ
  • image by:Shutterstock.com
  • ※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。
  • いま読まれてます

  • >>  世界で存在感を増す「日本ワイン」その中心地・山梨県勝沼ワイナリーを巡ってわかったこと
  • >>  ギネスも認めたガチなやつ…地球上にある本当の「世界一」を集めました
  • >>  飾られた大量のブラジャーが撤去できないワケ…ニュージーランドの奇妙な絶景
  • 小林繭

    東京生まれ、湘南生息中のフリー編集ライター。インテリア、旅モノ、湘南情報を中心にお仕事しています。All About沖縄ガイド。目下、踊れる編集ライター目指し趣味のフラメンコに取り組む日々。趣味は温泉。

    Instagram

    コメント