老人ホームと自宅介護の割合はどのくらい?それぞれの費用や注意点を知って介護不安を解消

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少子高齢化が進む日本において、親の介護に不安を感じている人は多いでしょう。
老人ホームに入居してもらうことを選択する人もいれば、自宅で介護することを選ぶ人もいますが、人それぞれの事情があるので、どちらがベストな選択であるともいえません。

老人ホームに入居する人と自宅介護を受ける人の割合はどれくらい?

公益財団法人生命保険文化センターによると、令和5年3月時点で老人ホームに入所している人の数は約95万人で、在宅で介護や要支援者向けの介護予防サービスを受けている人は約413万人となっています。
全体としては自宅で介護を受けている人の方が多く、老人ホームに入居する人の4倍程度いることが分かります。

老人ホームへの入居と自宅介護それぞれのメリットとデメリット

老人ホームへの入居と自宅介護には、それぞれメリットとデメリットがあります。

・老人ホームのメリットとデメリット

老人ホームのメリットとしてまず挙げられるのは、介護する家族の負担が軽減されることです。そのため、家族は自身の仕事や生活に集中できます。
また、介護が大きな負担になる理由として、多くの人が介護に必要な知識や技術を持っていないことが挙げられます。老人ホームなどの施設に入居すれば、介護に必要な知識や技術を持った専門スタッフに介護を任せられます。そのほか、施設内で他の入居者と交流できることもうれしいポイントです。
一方、デメリットとして挙げられるのは経済的な負担です。施設に入居するためには、入居費用や月額料金が必要になります。また、家族と離れ離れになることにストレスを感じる高齢者もいるでしょう。

・自宅介護のメリットとデメリット

自宅介護のメリットは、生活環境の変化が少ないことです。これまで住み慣れた自宅で生活できるため、高齢者の方はストレスなく生活できます。家族と一緒に過ごせることがうれしいという高齢者も多いでしょう。さらに、自宅介護であれば費用が比較的安くすみます。
デメリットとしては、家族の負担が大きくなることが挙げられます。介護に必要な時間が増えることで、家族の仕事や生活に大きな影響を与えてしまうことが多いです。自宅介護を選ぶのであれば、家族が介護に必要な知識や技術が必要になります。

老人ホームと自宅介護それぞれの費用

それでは、高齢者が施設に入居した場合と自宅介護の場合ではどの程度費用が異なるのでしょうか。老人ホームに入居した場合、かかる費用は施設によって異なります。公共型施設の場合、特別養護老人ホームの月額費用はおよそ6から15万円、入居一時金はかかりません。
一方、民間型施設の場合、介護付き有料老人ホームの月額費用は10から35万円程度が相場価格です。また、入居一時金がかかることもあります。入居一時金の価格は施設によりますが、中には数千万円の施設もあります。
自宅介護の場合も、費用は介護度や状況、介護サービスの種類によって異なります。一般的に、介護サービスの自己負担額(月額平均)は1万6000円程度、それに加えて介護サービス以外の平均費用が3万4000円程度といわれています。
ただし、介護度が高くなるほど必要な費用も高くなる傾向があるので要注意です。自宅介護の方が老人ホームよりも費用が安くすむものの、自宅介護であってもそれなりの金銭的な負担はあります。

両者をよく比較して家族にとってベストな選択をしよう!

老人ホームも自宅介護も、それぞれメリットとデメリットがあります。どちらかがより優れている、より正しい判断である、とはいえません。
ただし、経済的に余裕がない場合は、自宅介護を選択すれば負担を軽くできるでしょう。

出典

公益財団法人生命保険文化センター 介護を受けている人はどれくらい?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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