鹿児島県産焼酎の生産量 8年ぶり増加 家飲み需要に対応 輸出 中国・韓国の需要戻りコロナ前水準に 21酒造年度

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 鹿児島県酒造組合は6日、2021酒造年度(21年7月~22年6月)の県産本格焼酎の需給状況を発表した。県内112社の生産量(アルコール25度換算)は前年度比9.3%増の10万6735キロリットルで、8年ぶりの増加となった。
 大消費地の家飲み需要に対応したほか、サツマイモ基腐(もとぐされ)病の影響で生産が減少した前年度の反動で、2年ぶりに10万キロリットルを回復した。ただ、新型コロナウイルス禍前の18年度比では20%減と、依然状況は厳しい。
 出荷量は9万1940キロリットル(前年度比2.6%減)で、9年連続で前年度を下回った。県外向けは3.1%減、県内向けは1.7%減。組合は「少子高齢化や消費者の好みの変化に加え、感染拡大で業務用を中心に需要が伸び悩んだ」と分析している。
 原料別の出荷量(実数)は、芋6万3319キロリットル(2.7%減)、黒糖6270キロリットル(11.5%減)、米1046キロリットル(1.2%増)、麦2万599キロリットル(1.7%減)だった。
 今回から輸出状況(実数)も発表した。21年4月~22年3月は580.7キロリットル(34.7%増)だった。中国、韓国の需要が戻り、コロナ前の水準に近づいた。最多は中国で206.6キロリットルで、韓国、米国と続く。
 組合の浜田雄一郎会長(浜田酒造社長)は「国や県とともに国内の市場拡大を進め、輸出も積極的に展開する。長い歴史の中で造られた焼酎の価値を訴えたい」とコメントした。
 南九州4県の出荷量(実数)は宮崎が微増の11万6953キロリットル。鹿児島、大分、熊本は2~5%減少した。

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