鹿児島蒸溜所巡りその②複数の蒸留器から生み出される多彩なスピリッツ―二代目社長・小正嘉之助氏の夢を受け継いで、鹿児島から世界へ―

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こんにちは!有限会社エィコーンのカエです!

今回は鹿児島の4つの蒸溜所を訪問してきましたので、その模様をお届けしております。その①では、鹿児島でのウイスキー造りの土台となっている焼酎造りに焦点を当てました。この記事では最初に訪問した小正醸造日置蒸溜蔵、そして次の記事(③)で嘉之助蒸溜所をご紹介していきます。

焼酎を主に製造している日置蒸溜蔵。

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気持ちよく晴れていました画像
ショップはこんな感じ

実はここで、グレーンウイスキーも製造しているんですねぇ…(^ω^)

この小正醸造日置蒸溜蔵では、新鮮な芋が収穫できる8月から11月までは芋焼酎造り、1月頃からは麦、米焼酎造り、そして2-5月は焼酎の蒸溜設備を一部活用してグレーンウイスキーを造っています。私達がお邪魔したのは5月下旬、ということでばっちりグレーンウイスキーを造っておられました。6-7月はメンテナンス期間。なお、焼酎の他にも、リキュールやジン、梅酒など、多種多様な酒類も製造していらっしゃいます!

ではでは早速見学の始まり~

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掘ったばかりの芋を投入する設備!画像
シーズンにはたくさんのが見られるのでしょう…画像
さつま芋は土づくりからこだわっている契約農家の方から日々仕入れているそう!
芋は洗浄し、発酵に悪影響を及ぼす傷んだ箇所を丁寧に切り落とします。
どれだけ傷んでいたかは生産者毎にフィードバックを行い、
より品質の高い原料を確保するために、互いに試行錯誤しているようです!画像
芋洗い場(右奥の大型容器)画像
芋の傷んだ箇所をカットするところ画像
芋品質評価基準はこのように設けられており、画像
生産農家の方のお顔も見られるようになっています。
日々フィードバックし、生産者の方と意思疎通を図りながら、
より品質の高い原材料を確保できるよう努められているそう。

そんな焼酎造りの設備の合間にも、ウイスキーに関わる材料や設備がちらほら…

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グレーンの原料の大麦が届いていました✨画像
奥にグレーンを作っているタンクが…!

グレーンウイスキーは大麦と麦芽のみで造っているそうです。ちょっと特殊な作り方をしているようで…是非詳しく伺いたかったのですが、ここは秘密なんです…スミマセン…と申し訳なさそうに案内してくださったのは、ウイスキーの製造についても小正芳嗣社長と共にスコットランドまでウイスキー造りの修行に行かれた大牟田さん。同氏は鹿児島大学で焼酎マイスターの口座も受講されているそうです学び、歩みを止めない、素晴らしい蒸溜所!!

ウイスキーに触れたのも束の間、再び焼酎造りの見学に戻ります。

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麹菌の説明が設置されていました~

焼酎造りに欠かせない麹菌には、主に三種類があるそうです。それが写真の黄麹、黒麹、白麹。黄麹は昔から清酒造り等に利用されていたものの、クエン酸をほとんど作り出さないため、雑菌の繁殖を抑制できず、温暖な地域である九州での酒造りには不向きだったとのこと。現在は技術が発達し黄麹での焼酎造りも可能になったそうです。一方、黒麹、そして黒麹の変異種である白麹は、クエン酸を作り出すため、もろみが腐らず(お弁当に梅干しを入れるとお弁当が腐りにくくなるのと同じ原理です)、従来から沖縄を含めた温暖な地域の酒造りに利用されてきたとのこと。それぞれに特徴があり、目指す原酒によって使う麹が変わるようです。

さて、その①で紹介した「二次もろみ」。こちら日置蒸溜蔵では10日間発酵させるようですね~。

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実にわかりやすい親切なパネル

ということで、いよいよ蒸溜棟へ入ります!!
な、なんと、この日置蒸溜蔵には、全7種類もの蒸溜器がありました!!!!

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こちらはウイスキー造りに使われるポットスチルに似た形状
しかし銅は使われず、ステンレス製です画像
これもポットスチルに似てはいますね画像
ネックの部分はほぼ直角画像
こちらがその①でも少し触れた横型蒸溜器!画像
横型どーーーーん
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後ろの蒸溜器のネックは下向きですね~画像
これは何の装置かというと画像
アルコール度数の計測器!

ふぅ…蒸溜器を見るとテンションが上がってしまうのは私だけではないはず。
ちなみにグレーンのもろみもこちらの蒸溜器のどれかで蒸溜しているとのことでした。
一回に5000L、複数回蒸溜。発酵は1週間とのことです。
銅製の部分が無い分、減圧蒸溜することで、華やかな香りを持つ、雑味の無いきれいなスピリッツを作り出しているのだとか。

実はこの後の嘉之助蒸溜所ザ・メロー・バーでグレーンウイスキーを試飲させて頂きましたが、これがまた美味で!!!!
ブレンデッドの原酒としてのみならず、グレーン単体でも販売することも将来的にはあり得るかも…とおっしゃっていたのは笑顔の素敵な小正芳嗣社長

楽しみでなりませんね!!

蒸溜棟の外へ出ると、大量の梅が日光浴していました。

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梅を洗うスタッフの方々

そう、この小正醸造は、焼酎やウイスキーだけでなく、リキュール、ジン、梅酒など、多種多様な酒類を生産されているのです!

関東地方限定で発売になった「KOMASA GINー桜島小みかんー」の350mlジンソーダ缶(ファミリーマートにて、数量限定)も記憶に新しい…皆さん試されました??

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©小正醸造

日置蒸溜蔵のラストを飾るのは、伝統的な木製の蒸溜器と熟成のための甕が鎮座する、師魂蔵。

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内側から写真撮っちゃいました画像
甕には小正醸造を背負ってきた人々の名前が掛けられていました。画像
初代 創業者
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次の記事でたくさん登場する二代目・小正嘉之助氏!画像
これが、作れる人が日本にただ一人しか存在しないという、
木製の蒸溜器!!現在も稼働中!!
ウイスキーも蒸溜したいと考えられたそうですが…検討中だとか。

とにかくたくさんの種類の蒸溜器に圧倒された我々は、興奮冷めやらぬまま日置蒸溜蔵を後にし、嘉之助蒸溜所へと向かったのでした。その③へ続く!

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