鹿屋市串良町で戦没者慰霊式、陶芸家の井上萬二さんも出席

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平和記念公園で開かれた戦没者追悼式=鹿児島県鹿屋市串良町

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追悼のことばを述べる井上萬二さん=鹿児島県鹿屋市串良町の平和記念公園

 戦時中、海軍航空隊串良基地から出撃して亡くなった戦没者を慰霊する追悼式が21日、基地があった鹿児島県鹿屋市串良町の平和記念公園で開かれた。

 旧串良基地は1945年3月から特攻隊の基地となり、終戦までの半年で573人の若者が出撃して命を落とした。

 慰霊塔の前で開かれた追悼式には遺族や小中高生ら約150人が参列した。戦没者への黙禱(もくとう)が捧げられた後、中西茂市長が「先の大戦から学んだ教訓を深く心に刻み、幾多の尊い犠牲があった真実を次世代に語り継ぐ」と式辞を述べた。

 15歳で飛行予科練習生として鹿児島海軍航空隊に入隊し、串良基地で訓練を積んだ人間国宝陶芸家、井上萬二さん(94)=佐賀県=も出席。生存者代表として「今日の平和は特攻隊員らが若き青春をなげうった犠牲の上にある。自分ができることがあれば命の限り尽くしたい」と追悼のことばを述べた。

 追悼式は慰霊塔が建立された10月に毎年開かれている。(仙崎信一)

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